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アイスランドの記憶を巡る旅 PURE MORRIS ―NORTH & KINDRED コレクション―

1871年、夏。 ウィリアム・モリスが夢にまで見たアイスランド。 この地に降り立った彼の目の前にまず飛び込んできたのは、 コバルトブルーの空と、風に揺れる黄色のポピー。 そして、遠くに見える雪をいただく山々でした。     前回の『PURE MORRRIS (ピュアモリス)』シリーズ発表からおよそ2年、 7月に発表された待望の『NORTH』と『KINDRED』コレクションは、今から約150年前の夏 モリスがロンドンの喧騒を逃れて向かったアイスランドの旅から インスピレーションを得たものとなりました。   薄曇りの空から差し込む柔らかい光が、 アイスランドの短い夏を彩る草原の花々や雪に覆われた山並みに降り注ぎ、儚い陰影を落とす… まるで白昼夢のような美しい風景は、上質なコットンやリネンの生地に 繊細な刺繍や織りで描きだされます。 綿密に構成されたそれらの陰影は立体的な造形を生み出します。 光沢のある刺繍糸で紡ぎだされる果実や枝葉は、まるで朝露に濡れて光り輝くよう。 生地に縫いこまれたベルベットの花々は氷河の氷のような透明感のある光を宿します。   今回東京ショールームではこれら新作を使用した3つの異なるディスプレイを作成しました。   エントランスでは、ドラマチックなフレスコ画を彷彿とさせる壁紙 「Pure Bachelors Button 」がお出迎えします。 インテリアにも取り入れやすい淡い発色のフェイドシーピンクをテーマカラーに 明るく華やいだ印象のコーディネートに仕立ててみました。 メインのドレープには「Pure Marigold Trail Embroidery」を。 淡いグレーとピンクはトレンドのニュートラルカラーを取入れたおすすめの組合わせです。 ※使用した品番はこちらをご参照下さい。⇒PURE MORRIS NORTH エントランスディスプレイ     ショールームのセンターにあるのは、『NORTH』コレクションのハイライト・デザインである 「Pure Honeysuckle & Tulip Embroidery」をメインに、 アイスブルーを基調としたコーディネート。 生地いっぱいに広がるハニーサックルの繊細な刺繍に、 ベルベットで表現されたチューリップの花弁が優雅に咲き乱れるさまは、 うっとりと見入ってしまう美しさです。 ※使用した品番はこちらをご参照下さい。⇒PURE MORRIS NORTH センターコーナーディスプレイ     ショールームのモリスコーナーに設置されているのは、 モリスで最も有名なデザインのひとつ、「Acanthus」を織りで表した「Pure Acanthus Weave」。 透かし彫りのような立体的な陰影と、ところどころかすれたような跡を表現した 繊細な表現が見事な作品です。 合わせる壁紙は同じくモリスを代表するデザインのひとつである 「Pure Thistle」のゴールドを採用。 モリス商会初期の新ゴシック様式を採用したデザインは、 ドレープとあいまってどこか荘厳な雰囲気を演出します。 アクセントカラーには、このアイスランドの旅を象徴するポピーイエローを。 ※使用した品番はこちらをご参照下さい。⇒PURE MORRIS NORTH モリスコーナーディスプレイ   PURE MORRISのデザインはいつか見た美しい光景、 いつまでも記憶の片隅で眠っている憧憬を呼び覚ますような、 どこか懐かしく優しい気持ちにさせてくれます。 「美しい生活」とは何か。 知らぬうちに心の中に描かれていた原風景を見つけること、 その中にヒントが隠れているのかもしれません。    

―  これまで想像したこともなかった場所に、 なじみのある花々が咲いているのを見て、私は不思議な感情におそわれた。 そして(その頃までに,とても明るくさわやかな日になっていた) その辺りには私には描きつくせない真の美しさがあった。 ― July 11, 1871 Iceland Diary by William Morris