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New!!『MORRIS&CO.×EMERY WALKER’S HOUSE』ディスプレイ

2023.07.04 / tokyo

紫陽花が雨に濡れて色鮮やかに見えるのも、雨の季節ならではの風情ではありますが、まるで梅雨明けしたかのような日差しの強い日も多く、そう遠くはない夏の気配を感じます。

さて今回は、弊社がお取り扱いしている数あるブランドの中でも、大変人気の高い『ウィリアム・モリス』の新しいコレクション『EMERY WALKER’S HOUSE』をご紹介いたします。


英国の思想家、詩人であり近代デザイン史上に大きな影響を与えたウィリアム・モリス。自然の樹木や草花などをモチーフにしたデザインは160余年を経た今日でも少しも新鮮さを失わず、世界中で根強いファンに愛され続けています。

モリスが生涯のうちに残した、多岐に渡る功績の中のひとつ、ケルムスコット・プレス社の設立をご存知でしょうか。彼は、活字のデザインに熱中し、自らのデザインにより美しく装飾された、手工芸による出版物を手掛けました。その折に、ビジネスパートナーとして協力した人物こそが、エメリー・ウォーカー卿でした。

Emery Walker
エメリー・ウォーカー卿は、彫刻家、写真家、印刷工として、アーツ・アンド・クラフツ運動の中心であった様々な組織団体において積極的に役割を担っていた人物。専門的なタイポグラファーとしての知識により、ウィリアム・モリスのケルムスコット・プレスをサポート。モリスのロンドンの住まい”ケルムスコット・ハウス”のほど近くに居を構え、毎日のようにお互いを行き来するほど親交を深め、美術工芸展協会などモリスが携わっていた団体をサポートしていました。 友情の証として彼の邸宅”ハマースミス・テラス7番地”には、モリス商会の家具など多くのモリスデザインが使われており、彼の一人娘ドロシーやその友人エリザベス、また1999年からはエメリー・ウォーカー・ハウス財団の努力により、驚くほど良い状態で保存されています。

すべてにおいて先駆者的な存在のデザイナーだったモリスにとって、 隣人であり友人、協力者、そして良き理解者であったエメリー・ウォーカー卿。今回のコレクションは、モリスのオリジナルデザインがふんだんに取り入れられたハマースミス・テラス7番地の彼の邸宅をベースに創られています。アーツ・アンド・クラフツ運動の素晴らしき痕跡である彼の邸宅から、多くのモリスデザインやハンドメイドの工芸品を再発見。まさしくこの邸宅とのコラボレート・コレクションとなっています。

それでは、収録アイテムをご紹介していきましょう。


こちらは、東京ショールームの、ウィリアム・モリスコーナーです。


画像左のカーテンは、Trent 227025
「トレント」とは、イギリスで3番目に長い川の名前。1888 年、モリス商会で最も高価なプリントテキスタイルという栄誉とともに誕生したファブリックです。
曲線を描くチューリップや曲がりくねるアカンサスの葉など、英国庭園の代表的なモチーフが描かれています。 モリスのデザイン理念である「広範囲に広がるリピートで目を楽しませる」「巧みに描かれたモチーフで魅了する」という 2 つの要素を表現したデザインになっています。ファブリックは右の画像のように3色展開、同柄の壁紙(アートワーク用)は2色展開です。


画像左のカーテンは、May’s Coverlet 237308
エメリー・ウォーカー卿の邸宅の寝室にある、印象的なクルーエル刺繍のベッドカバーのデザインを、再解釈したもの。オリジナルはモリスの次女メイによって、長年寝たきりだったとされるエメリーの妻のために作られたもので、モリス家とウォーカー家の女性たちの友情が生み出した創造性への賛辞でもあり、ウォーカー家で代々大切にされてきました。
リネン100%のベース生地に手作業で施されたメイのステッチは、彼女の驚異的な針仕事の才能を象徴するもの。オリジナルカラーを再現したインディゴの他、右の画像にある、絡みつく蔓のようなグリーンがあります。

*”刺繍の名手”であったメイ・モリスの素晴らしいデザインから着想を得た『MORRIS ARCHIVE V – MELSETTER』も2019年の発売以来、非常に人気の高いコレクションです。ぜひこちらもチェックしてみてください。


続いて、画像左のカーテンは、Bluebell 227038
英国で”春を感じる花”として知られるブルーベルの花を描いたもの。モリスの最も魅力的な資質のひとつは、このブルーベルのように、英国に自生する身近にありふれた”普通の花々”を愛したことでしょう。大きく描かれたアカンサスの葉や、絡み合う大きな葉で囲われた控えめなブルーベルは、春の森を彩るよう。

右の画像に見られるように、左右鏡写しのシンメトリックなデザインで、「(メインの花ではなく)第二の花」の名前をつけるという彼の伝統を引き継いでいます。1876年に描かれたデザインで、今回発売の3色の他に、素材や色使いなど表現が異なる既存色がございます。


画像左のカーテンは、Bower 227030
「バウワー」とは、庭や森の木々の下、日陰になる心地よい場所のことで、この高揚感溢れるデザインは、まさにそのもの。1877 年にモリスのパターンとして登録されたデザインで、生命力あふれる葉や花々が咲き誇るフローラル・ ワンダーランドを表現しています。ファブリックは右の画像のように4色展開、同柄の壁紙は3色展開です。


続いて、画像左のプリント生地は、Rose 227023
チューリップとバラの花が優雅に咲き誇る様と、ドラマチックな棘のある茎が重なり合ったデザインです。モリスは、このデザインに描かれている、雑木林の中で遊ぶ一対の楽しげな鳥のように、自然界の日常的なドラマをよく観察していました。1883 年にモリスが家具用生地としてデザインしたもので、エメリー・ウォーカー卿の邸宅の客室で広く使用されました。かつてアーカイヴコレクションに収録されていましたが、今回久し振りに再登場。ファブリックのみのアイテムで、イエロー系(227022)との、2色展開です。

画像右のプリント生地は、The Beauty of Life 227034
「The Beauty of Life」は、モリスが「文明が脅かされている、最新の危機に立ち向かえ」と熱烈に訴えた、1880年2月19日、バーミンガム芸術協会で行われた講演のタイトルです。この奮い起こすような叫びは、モリスの真髄であるスクロールする葉、美しい文字、遊び心のある野生動物のモチーフで装飾された豪華なインディゴカラーの生地に、永遠に刻まれます。モリスは、工業化された資本主義が「全人類から人生のあらゆる美を奪う」という脅威に立ち向かっていたのです。
こちらもアーカイヴコレクションに収録されていたデザイン。レタリングはウィリアム・モリス自身が発行していたケルムスコット・プレスの本からインスピレーションを受けています。ファブリックはこちらのインディゴ1色、同柄の壁紙は2色展開です。

左の画像の織り生地は、Flowers by May 237313
宝石のような魅惑的な色彩が、深い真夜中のようなインディゴカラーに映える草原の花々を、生き生きと描き出しています。ディテールの美しさが際立つこの生地は、もともとモリスの書斎に置かれていた17世紀の椅子の座面を飾っていたものです。モリス亡き後、次女のメイは「MM to EW」(May MorrisからEmery Walker へ)という献辞とともにカバー付きのクッションを作りました。「Flowers by May」には、世代を超えた友情が創造性を刺激するという物語があるのです。


こちらの画像の刺繍生地は、Daisy Embroidery 237310
鮮やかなマルチカラーが楽しい、1864年、モリス商会の初期の壁紙である「Daisy」の新しい刺繍バージョン。麻100% のベース生地に、厚みのあるステッチによるフローラルデザインが、手刺繍のようなクラフト感をもたらしています。


画像左のプリント生地は、Emery’s Willow
1874年に発表された「Willow(柳)」の背景に、遊び心あふれる泡のような形を配置しています。柳の木は、繊細に絡み合う枝と、わずかな風でも心地良くそよぐ葉を持ち、モリスが繰り返し使用したモチーフ。エメリー・ウォーカー卿の邸宅のダイニングルームに飾られていた、壁紙デザインが基になっています。画像の通り、3色展開のファブリックと、同柄の壁紙が4色のラインナップです。

画像右のプリント生地は、Borage
1883年、モリスによるデザイン。描かれている花は「ルリジサ」というハーブの一種で、蜂などの花粉を運ぶ者たちに好まれる植物。こちらは元々家具用生地として考案されたもので、精気溢れる花のパタ ーンと左右対称のデザインは、どんな家具にも生き生きとした視覚的な面白さをもたらします。エメリー・ウォーカー卿も、彼の邸宅の居間の家具用生地として使用しました。画像の通り、3色展開のファブリックと、同柄の壁紙が4色のラインナップです。


左の画像は、Bird Tapestry 237312
ペアの鳥が止まり、飛び立つ様子を交互に描いた穏やかで落ち着いたパターンです。こちらは、モリスが1878年に制作し、自身の邸宅”ケルムスコット・ハウス”の応接間に飾るために選んだタペストリーのデザインでした。美しく繊細に織り上げられたファブリックを、モリスに倣ってタペストリーのようにお部屋に掛け、モリスやウォーカー卿が生きた時代に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。

右の画像、中央の壁紙は、Bird 217194
前述のBird Tapestryのデザインが、今回初めて壁紙になりました。重厚なカラーから、フレッシュなカラーまで、お部屋に合わせてお選びいただける4色展開です。


Birdタペストリーと、 Kelmscott House のドローイングルームの様子( Emery Walker による撮影)*William Morris Societyアーカイヴ資料より


こちらの壁紙は、Rambling Rose 217206
森の散歩道やコテージのガーデンに咲くイングリッシュローズを描いたもの。バラを象徴する「愛」や「純粋さ」のイメージとは相反するかのように、蔓が巻き付き、ねじれ、棘のあるバラが、迷路のような構造で描かれています。バラは、モリスの壁紙には珍しいデザインで、タペストリーや詩の中に登場することが多いモチーフです。1877 年に発表されたデザインで、今回のコレクションにて久し振りの復活となりました。
東京ショールームのパネル展示でご覧いただける、こちらのカラーを含む3色展開、壁紙のみのアイテムです。


また、こちらの画像の壁紙、Wallflowerは、1890年にモリスによってデザインされたもので、アカンサスの葉の曲線に優しく描かれたウォールフラワーがバイタリティに満ちた力強い印象を与えています。濃い点描がサーフェスプリントのテクスチャー感を表現している一方、薄色の葉模様が彫刻のような奥行きを表しています。エメリー・ウォーカー卿の居間に掛けられていた壁紙にインスパイアされており、こちらも、今回のコレクションで久し振りの復活となりました。画像の3色展開、壁紙のみのアイテムです。

ご紹介してまいりました新しいコレクション『EMERY WALKER’S HOUSE』いかがでしたでしょうか。
収録のアイテムは、モリスが最初に確立した高い技術水準を維持するために、手仕事によるタッチ、最高水準の織物やプリントの品質担保など、あらゆる努力が払われ作り出されています。

愛に満ち、創造性溢れるものだったとされるモリスやモリスの家族とウォーカー卿の関係性が垣間見えるような、 これまでコレクションに加わることのなかったデザインや、再び表現されたモリスの名作が収録された「EMERY WALKER’S HOUSE」は、すべてのインテリア愛好家にフレッシュで新たな気づきを与えてくれる、 世界中のモリスファン待望のコレクションです。

美しいデザインに目を奪われ、背景にあるストーリーに思いを馳せる、奥深いモリスの世界をどうぞお楽しみください!
もっと詳しくお知りになりたい方は・・・

Emery Walker’s House HP
エメリー・ウォーカーズ・ハウスのホームページで、実際のお部屋の中の様子もご覧いただく事ができます。*一部画像をこちらからお借りしています。

MORRIS WORLD.JP
ウィリアム・モリスのタイムレスなデザインと「美しい暮らし」のための情報をお届けすることをコンセプトとしたサイトです。

モリスワールド メンバーシッププログラム
お客様に特別な体験をお楽しみいただくための会員制度です。さまざまな会員特典をご用意しております。ぜひご入会ください。

New!!『RUBELLI-RETURN TO ARCADIA by Luke Edward Hall』ディスプレイ

2023.02.28 / tokyo

週1回、エントランスに飾る生花を選びに、ショールーム近くのお花屋さんに行くのですが、チューリップやアネモネなど色とりどりの春の花が並ぶようになり、風が冷たいながらも春の気配を感じます。

今回は、ヨーロッパにある最高級エディターの中で最も古い歴史のある会社のひとつ、イタリアのRUBELLI(ルベリ)のコレクションをご紹介します。

1889年ヴェネチアに創設されたルベリは、世界トップレベルの自社工場を保有しており、デザインから生産、販売まで一貫した体制で行っています。世界中から集められた4000を超える貴重なアーカイブ資料を創造源に生まれるインテリアファブリックは、各国の著名な劇場やホテルにも多く取り入れられています。

今回ご紹介するコレクションは、このルベリと”新進のデザインスター”と評されるルーク・エドワード・ホールによるコラボレートコレクション『RETURN TO ARCADIA by Luke Edward Hall』です。

Luke Edward Hall(1989~)
世界中の企業に独自のスタイルを提供する、イギリスの若きアーティスト兼デザイナー。ロンドンのセントラル・セント・マーチンズで教育を受け、ベン・ペントリース*の会社で働いた後、2015 年ロンドンに自身のスタジオを設立。バーバリーやリバティをはじめ、ディプティックやリチャード・ジノリなど、そのデザインワークは多岐に渡る。彼は、インスタグラムに、国内外を旅した写真と仕事やインスピレーションの画像を、分けることなく一緒に投稿し、友人と美的感覚を共有するツールとして愛用していたが、結果それがビジネスツールともなっており、企業はインスタグラムを通じて彼を見つけることが多いという。

*ベン・ペントリース…イギリスの建築デザイナー。
Morris&Co.とのコラボレーションで人気を博すコレクション『THE QUEEN SQUARE(2020AW)』『THE CORNUBIA(2022SS)』を手掛けており、こちらのブログでもご紹介しています。

それでは東京ショールーム、ルベリコーナーのディスプレイをご紹介していきましょう!

コレクション名『RETURN TO ARCADIA』にある、ARCADIAとは、ギリシャ南部、ペロポネソス半島の中央部の高原地帯。高い山や峡谷により他から孤立し、古代ギリシャでは”理想郷”とされ、17世紀の絵画や文芸などに影響を与えました。そしてルークもまた影響を受け、彼によって表現された理想郷が広がります。

それではまずカーテンから。
画像右側は、Ribbon Bouquet 30508-03
華やかなブーケと躍動感のあるリボンがとても立体的に見えますが、実はコットン&リネンのプリント生地です。こちらはルベリが保有するアーカイブデザインで、オリジナルは織り生地ですが特殊なプリント技術により、このような立体感が再現されています。ルークはいつも古い花柄の生地に惹かれるそうですが、古い色は彼の目には少しくすんで見えることがあると。そこで今回は背景をピーチやラベンダーにアップデート、程よい甘さを加えたものになっています。

画像左側は、Chain Stripe 30503-01
ロンドンの美術館で見つけた19世紀初頭の壁紙の断片からインスピレーションを得た、鎖がモチーフのストライプ。生地巾320㎝の広巾のタフタで、ヨコ使いにした際にタテストライプとなります。滑らかでドレープ性が良く、防炎品のため、高層マンションやコントラクトユースにも対応可能です。

こちらは、Gothic Folly 30509-01
ルークのお気に入りである、イングランド南西部グロスターシャーのペインズウィック・ロココ庭園にあるフォリー(公園の塔、遊園地のお城など、景観のアクセントとしてつくられる建造物)をモチーフに、城壁やゴシックのモチーフをスケッチしたもの。

夏の暑い日、民家の屋根が城壁のようになっているのに気づき、すぐにこのデザインが 目の前に現れたそう。目に留まったものから、こうして次々デザインが生み出されていくのですね。


カーテン上部はハトメ仕様となっており、その下にあしらったタイのジム・トンプソンのボーダー、Duquette Valancia Border JT030056004もまたユニークなデザインで、城壁の形ともリンクしています。

そしてこちらはリバーシブルの間仕切りカーテンとなっており反対側は、Quatrefoil 30510-04


Quatrefoilは、四つ葉模様を意味し、ゴシック建築やイスラム建築に見られる葉型模様「foil」の一種。
ルークの審美眼的ヒーローの一人であるフランスのデザイナー、故エミリオ・テリーのカーペットデザインからインスピレーションを得て描いた、幾何学的な形が交錯するスケッチで、とても遊び心のあるコットンプリントです。
お揃いのクッションには、国内在庫品SATELLITE-OMBRÉのサテン生地、メイサ9にてたっぷりとギャザーを寄せたフリルを付けてよりエレガントに。


カーテンの両端にはジム・トンプソンのトリム、Duquette Polka Dot Tape JT030055002をあしらってリズミカルなアクセントに。


また、こちらは、Antinous 30500-03にて作成したテーブルランナーです。モチーフは、ローマ皇帝ハドリアヌスの寵愛を受けたギリシャ人アンティノウスの肖像画。ルークはいつも古代ギリシャ・ローマの世界の人物に惹かれていて、このアンティノウスの物語は、悲しいことに最後はかなり悲劇的ですが、素晴らしいものであり、その美しさで知られるアンティノウスは、永遠に魅力的なキャラクターであり続けるだろう、と彼は言っています。


両端に付けたフランスのHOULESのキータッセル、PALLADIO35186-9720は、ハトメ穴に通してくぐらせており、メンテナンス時のために着脱可能な作りといたしました。


左の画像の生地、Rousham 30507-02に見られる、アルカディアン・ガーデンのスケッチは、イングランド南東部オックスフォードシャーの素晴らしいルーシャム・ハウス&ガーデンに触発されたものです。この庭園は、彼の家の近くの田園地帯にあるため何度も訪れている場所。グロット(洞窟)やプール、崩れかけた彫像など、神秘的で古代の雰囲気を感じさせる風景は、まさに”古典的な楽園”と言えるでしょう。リネンとコットンの地にプリントされたスケッチは彼の筆遣いがそのまま見て取れる作品のひとつです。

右の画像の生地は、Lyres 30501-01。古代ギリシャの古典的な竪琴リラのスケッチ。クラシックの世界の柔らかな音楽が、夏の柔らかな風に揺られながら聞こえてきそうなリラの姿。ベースの光沢感とラインのマットな質感がコントラストを奏でるランパス織です。


画像左の生地は、Dappled Brick 30505-01
生地の名前は「まだらなレンガ」を意味しますが、目の錯覚により、レンガが立体的に見えます。ルークが以前本で見た、ペイントされたバスルームにインスパイアされた、珍しくも大胆な作品です。

画像右の生地は、Wobble Grid 30506-02
Wobbleとは「揺れる、よろめく」の意味 。チェックを再考したもので、フォーマルでなく、より自由で楽しいチェック柄。 彼は古い更紗や色あせたストライプが好きですが、幾何学模様も大好きで、特にこのような大胆な柄は1970年代の雰囲気を醸し出しています。

最後に、ルークが今回のコラボレーションに寄せたメッセージをご紹介します。
「私が部屋をデザインするとき、最も重要な要素のひとつがファブリックのミックスであり、このアイデアがルベリとのコレクションの出発点でした。ストライプや花柄、幾何学模様、小さな柄や大きな柄など、私の好きな種類の生地がコレクションを構成しています。」 
彼の言葉の通り、様々な要素がぎゅっと詰まったコレクション、柄と柄をミックスで使ってもマッチし、ひとつだけ取り入れても存在感を放つアイテムばかりです。

☆Luke Edward Hall初来日レポート☆

先日ルークが初来日、ライブペインティングのイベントが開催されると聞き、もちろん行ってまいりました!トレードマークの風に吹かれたようなヘアスタイルを時々掻き上げながら、30分ほどでサラサラサラっと2枚の絵に色付けしていくその軽やかな筆使いと、思いのままにキャンバスが彩られていく様子を見学できる大変貴重な機会でした。写真撮影やサインにも快く応じてくれて、終始和やかでhappyな雰囲気に包まれていました。


また、数日間に渡る滞在の中で、彼のインスピレーションの引き出しに”日本”が追加されたはず。いつか彼のデザインの中でアウトプットされるのを楽しみにしています。

New!!『Backhausen-LANAコレクション』ディスプレイ

2022.11.30 / tokyo

冬の入り口に差し掛かり、身の回りの冬支度も整えていらっしゃることかと思います。気温の乱高下が続きましたが、皆さまお健やかにお過ごしでしょうか。

さて今回は、オーストリアのBackhausen(バックハウゼン)より、これからの季節におすすめの、上質なウール素材のファブリックが揃う「LANA」コレクションをご紹介いたします。

ウィーンに創業し170年を超える歴史を持つバックハウゼンは、職人技、伝統、個性、サステナビリティを根幹としており、その多大な業績によりハプスブルグ皇帝家御用達として認められたブランドです。
高品質、美観、天然繊維の使用、保有している独自のアーカイブから着想を得た革新的なデザインに重きを置いており、世界各地の名高い公共施設やホテル、城館、劇場などに使用されています。

※バックハウゼンについては、こちらのブログでもご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

それではディスプレイをご紹介いたしましょう。

BH-LANA

今回は、クリスマスシーズンにもぴったりなクッションを作ってみました。

PUNKTA-ARTIS
画像の左側はPunkta MC790C-26、右側はArtis MC788A-03です。
四隅にJIM THOMPSONのキータッセルDuquette Docile Tassel JT030051-001を付けました。
※実際はキータッセルが連なって付いているトリムをカットして使用しています。

今回のコレクションの、どことなく懐かしさを感じさせるようなパターンは、伝統的な「アルパインプリント柄」からインスピレーションを得たもの。スイスアルプスの山小屋のような宿泊施設「シャレー」や、カントリーハウスのような雰囲気にしっくりとマッチし、重厚な装飾生地としてもお使いいただくことができます。

PUNKTA-ARTIS版木
こちらの画像にある、織り柄の元となったアルパインプリントの版木をご覧ください。バックハウゼンの最先端の織物技術により、細部まで忠実に再現されていることがわかりますね。

FROLIS-DECUS
続いて左側の正方形のクッションは、Floris MC833A-03
そして右側の横長のクッションは、Decus MC792A-03
まるで、教会のバラ窓やクリスマスのオーナメントのような、繊細で華やかな織り柄です。

DECUS-FLORIS-VICUS
2つとも裏面はVicus MC779B-03で揃え、先にご紹介したキータッセルを右上角に1か所のみ付けました。

RED variations
サンプルブックの構成は、このようにカラーごとにまとめられています。小紋柄や無地調のファブリックもヴァリエーション豊富に組み込まれていますので、お部屋のトータルコーディネートの参考になりますね。

Color variations

また、ウォームレッド・ボトルグリーン・ディープブルー・アースベージュが、このアルパインカラーパレットのベースとなっており、雄大な自然を思い起こさせます。
素材としては、コレクションのほとんどに100%ピュアニューウールが使用されており「ウールマーク」の認定を受けています。(Artis MC788Aのみ、6%アルパカ混)

アルプスをイメージさせるアルパイン・シックと素朴なエレガンスを、カラーと素材で体現したLANAコレクション。丈夫で快適、リッチで暖かなウール素材に囲まれて、豊かなホリデーシーズンをお楽しみください。

New!!『ESSENTIALS』コレクション

2022.07.22 / tokyo

今年は短かった梅雨が明けた途端、猛暑や豪雨といった、目まぐるしい気象の変化。「例年通り」というより「観測史上初の」というニュースを耳にすることが少なくない昨今ですが、これも気候変動の影響かと考えると、環境問題へ取り組みを急がなくてはと思わざるを得ません。皆さまもそれぞれに、日頃から心掛けていらっしゃることが、おありなのではないでしょうか。

さて、マナトレーディングは5月に、弊社が展開する国内在庫品のオリジナルコレクションのひとつ、『SATELLITE(サテライト)』シリーズの第三弾として『ESSENTIALS(エッセンシャル)』を発表いたしました。
まさに、“未来のために いまできることから始めよう”というテーマのもと、環境にやさしくタイムレスなベーシック生地のコレクションです。

それでは収録アイテムを、そのポイントとともにご紹介いたしましょう。

 

まず初めに、発売より早速ご好評をいただいておりますフレンチリネン。上質なリネンとして知られるフランス産のリネンを100%使用したドレープ生地です。

このリネン(麻)が環境に優しい素材として世界的に注目される理由を、皆さまご存知でしょうか。麻は痩せた土地でも、太陽の光と雨の水があれば樹木の4倍のスピードで成長し、かつ収穫までに吸収する二酸化炭素は、森林の約4倍と言われています。またあらゆる 部位が利用可能で、土に埋めれば微生物により最終的に二酸化炭素と水に分解される、サスティナブルな素材なのです。

さらにこの素材に日本でワッシャー加工を施し、洗いざらしのような自然なシワ感を表現しています。これは、海外にはまねのできない高度な技術・知識・経験からなる日本ならではの職人の成せる技。シンプルだけれど飽きがこない、使うほどに愛着がわくようなアイテムです。

こちらの画像いちばん左の生地は、フレンチリネン 47
光を通すとよりリネンならではの糸の質感が感じられ、同じく天然素材に植物をモチーフとしたデザインのウィリアム・モリスのアイテムに合わせてみてもとてもよく馴染みます。

次に、こちらはスモーキーなパステルカラーが揃うオーガニックコットン100%のブリーゼ

 

「オーガニック=有機栽培」の意味のとおり、太陽や水、大地など自然の恵みを活かして栽培されたコットンは、農薬や化学肥料に頼らないことで、自然環境への配慮、そして栽培する人の労働環境への支援にもつながる素材なのです。

さらにこのパステルカラーを作り出す染料は、食品会社や農園の製造過程でうまれる、廃棄予定の野菜や果物を再活用したもの。規格外で商品として出荷できないブルーベリー、石臼で挽いた後ふるいに掛けて残った抹茶、ドリップコーヒーの出涸らし、廃棄予定の桜の塩漬けなどから抽出された染料が使われており、フードロス問題への取り組みとしても注目していただきたいアイテムです。

続いて画像左は、無地調でありながらミックス感のある色と光沢のあるテクスチャーの、ハリソン。画像右は、リッチで美しいリネン地のような質感、カーテンの他、椅子張地としての強度も併せ持つ、リデリス
両アイテムとも、不要になったペットボトルや、繊維製品を製造する際に出る糸くずを再生して作られた、リサイクル・ポリエステル糸が使用されています。

同時に発売されたボーダー「パサージュ」をあしらってカーテン、シェード、クッションなどのアレンジをお楽しみいただいてはいかがでしょうか。

この他にも、トリム・タッセルなどのアクセサリーに、新作や既存アイテムの新色が仲間入りしました。★こちらからぜひチェックしてみてください。

そしてこちらは、無地調の広巾シアー生地、ヘイズ
ソフトで靄(もや)のような霜降りの濃淡が美しく、ニュアンスのあるニュートラルカラー6色展開です。

長くご愛用いただきインテリアの中で欠かすことのできない “エッセンシャル” なものとなるよう、ニュアンスのある素材感とカラーリングにこだわりました。
環境にやさしいアイテムを軸に マナトレーディングが考える上質と洗練のベーシック生地を集めた新しいコレクション。
皆さまの暮らしの中にも取り入れていただき、インテリアで環境のためにできることにトライしてみてはいかがでしょうか。

New!!『Backhausen』ディスプレイ

2022.05.31 / tokyo

新緑が美しく爽やかな季節はあっという間で、梅雨入りも間近となってまいりました。

さて今回は、オーストリアのBackhausen(バックハウゼン)についてご紹介します。

1849年、ウィーンにて創業したバックハウゼンは、その多大な業績によりハプスブルグ皇帝家御用達ブランドとして認められ、ウィーン世紀末芸術様式ユーゲントシュティールの先駆者、そしてウィーン工房設立メンバーとして20世紀初頭に起った新しい芸術運動に深く関与した、歴史を誇るブランドです。

ここで「ウィーン工房」について改めてご紹介しておきたいと思います。

Wiener Werkstätte / ウィーン工房
1903年ウィーン工芸美術学院の教授ヨーゼフ・ホフマンとコロマン・モーザーらによって創設されたデザイナー集団。画家・彫刻家・建築家などデザイナーが職人と密接に協力しながら自由に才能を開花させ、日常生活に関わる様々なものを最高の品質で作り出していく「総合芸術」のワークショップでした。
バックハウゼンは、このウィーン工房のテキスタイルの主要な製造業者であり、奇跡的に残された、貴重なアーカイヴデザインは3500点を超え、今も大切に守られ続けています。

そして今回、そのアーカイヴデザインが新しい解釈によって再登場しました。厳選されたカラーパレットと素材を用いて、フレッシュな輝きを放っています。

それではディスプレイをご紹介いたしましょう。
こちらが、新作ファブリックにてリニューアルしました東京ショールームのバックハウゼンコーナーです!

豊富なデザインと鮮やかなカラーのバリエーションが目に飛び込んでくるコーナーとなりました。今回は、主に以下の2つのコレクションに収録されたアイテムで構成しています。

Wiener Sehnsuchtコレクション
ウィーン工房から続くデザインを通しウィーンへの“憧れ=Sehnsucht”を今に紹介する新コレクション。ヨーゼフ・ホフマン、オットー・プルッチャーなど著名なデザイナーによる19世紀末の作品がアーカイヴから再登場。サスティナブルな天然素材を使用し、時代を超えて人気のデザインを現代のイメージに合わせて新たにアレンジしています。

Wiener Gartenコレクション
創設170周年を記念し、アーカイヴからアールヌヴォーのデザインを復刻したアニバーサリーコレクション。著名な芸術家、コロマン・モーザーやヨーゼフ・ホフマンらによるデザインが色や素材を新たに生まれ変わりました。収録アイテムには“ウィーンの庭園=Wiener Garten”で良く見られる植物をイメージさせる名前が付けられています。

それではまずカーテンから。

Weingarten MD442B05
ハート形が特徴的な葉のモチーフ。壁一面にツタの葉が生い茂ったかのよう。散りばめられたドットは、可愛らしい実のようでもあり、キラキラと輝く朝露にも見えませんか?ヴィヴィッドからモノトーンまで、12色のカラーバリエーション。こちらはレーヨン素材ですが、素材違いでシルク混のWeingarten SEもございます。

そして、リヴァーシブルで仕立てた裏面は、Blumengarten Deko MD411C08
1914 年、ヨーゼフ・ホフマンによるデザインを基にしたもの。

続いてクラシカルな印象のこちらは、Coligny MD291B10
工房のデザイナーの一人、ヘレネ―・ガイリンガーによる同じく1914年のデザインを基にしたもの。

自然の様が織り成すハーモニー、そしてエレガンスと静けさを、レーヨンとウール、ヘンプ麻の混合素材を用いて表現しています。

いずれもこのように、ソフトで繊細なナチュラルトーンのカプセルコレクションとしてまとめられていますので、お部屋のトータルコーディネイトに最適です。

続いて、スツールの張地をご紹介しましょう。

左の画像、座面部分は、Herbstblatt M9069E13
HERBSTBLATTは「AUTUMUN LEAF=秋の葉」の意味。ヨーゼフ・ホフマンのデザインを基にしたもの。
側面部分は、Lebenswege MC933D13
LEBENSWEGE は「WAYS OF LIFE=生き方」を意味し、こちらもホフマンの原案を再解釈したものです。

右の画像のように、Herbstblattだけでもこれだけのカラーバリエーションがあり、ブラックベースのほうはオリジナルデザインを彷彿とさせ、ホワイトベースは新解釈としてフレッシュさを感じます。

左の画像のクッションは、Wellenherz MD439A05
ハートのモチーフがかわいらしいデザインですが、甘くなり過ぎないカラーを選んでみました。
右の画像は、クッションの生地と同じカラーでまとめたデザインのバリエーション。サンプルブックを開くと、このようにカラーごとに一目で見られるように収録されています。

他、豊富なデザインの中から8柄をこのようにシートクッションの形で展示しています。椅子の座面に置いたり、背もたれに立てかけてご覧いただき、クッションや椅子に張った様子をイメージしてみてください。

ウィーン工房で生み出されたデザインが、今再び進化を遂げて登場した今回のコレクション。機能的な日用品に美しいデザインを与える彼らのコンセプトを体現してみてはいかがでしょうか。「芸術家たちの作品」としてのデザインの素晴らしさを、ぜひショールームでご覧ください。

New!!『No.9 THOMPSON』ディスプレイ

2022.04.03 / tokyo

東京ショールームの近く、目黒川は東京の桜の名所のひとつ。今年も連日、たくさんのお花見客で賑わいました。週末は花散らしの雨となりましたが、はらはらと散る花びらもまた風情ですね。

さて、今回はタイシルクで世界に知られるJIM THOMPSON(ジムトンプソン)のカジュアルライン、No.9 THOMPSON(ナンバーナイントンプソン)をご紹介します。

「No.9」と名付けれられた由来は、バンコクにある本店の住所が9番地であることから。英国のデザイナー、リチャード・スミスによるエスニックミックスな世界を、カジュアルかつエレガントに展開するファブリックや壁紙が揃います。

また、アウトドアでもお使いいただける耐光性を兼ね備えたファブリックも豊富で、タイの強い日差しのもとに映えるような、鮮やかなカラーが魅力です。

ここで、クリエイティブディレクターのリチャード・スミスについてご紹介しましょう。

Richard Smith
スケッチ画やペインティングを得意とし、古くからのファブリックデザインからインスピレーションを受けることもしばしば。イギリス南部、サセックスの海沿いにあるスタジオで、彼自身による手書きのアートワークから生み出されたデザインは、タイのジムトンプソンの工場で、彼自身の監修のもと職人たちの協力を得て生産されています。彼の東洋文化への興味がスパイスとなり、タイの伝統にフレッシュな感性が溶け合った、魅力的なデザインを送り続けています。

新作の前にまずご紹介しておきたいのは、前回のコレクションで大変人気を博した『Monkey Business』です。

20世紀前半の古いサーカスのプログラムやポスターからインスピレーションを受け、サーカスの活き活きとした様子をヴィンテージ感のあるカラーで描いたファブリック。

どこか優雅な佇まいが感じられるのは、シマウマ、ゾウ、ラクダ、キリンのモチーフがフランスのブロケードに見られるような古典的なパターンの中に描き込まれているからでしょうか。よく見るといたずら好きのサルの一団が紛れ込んでいます。

☆『Monkey Business』については、東京ショールームのInstagramでもご紹介しています。ぜひこちらもチェックしてみてください。

さて!
このMonkey Businessの人気に続き、ショールームではまたも好評の新作コレクション『JUBILEE』のディスプレイをご紹介しましょう。

JUBILEEとは、記念祭、祝祭を意味します。自然そのものだけでなく、自然の中で外に出ることの喜びを讃えたデザインがプリントと刺繍で表現された、全7柄のコレクションです。

画像右の生地、Persimmon (N9012315003)は、その名の通りつるに掛かった「柿」がモチーフ。コットンリネン地に、毛糸を使って刺繍する「クルーエル刺繍」で表現されています。鈴なりの柿の木の下から、大空を見上げた時のシルエットのようですね。縁には同ブランドのトリム、Meander(N9031021002)をあしらい、間仕切りカーテンに仕上げました。

カラーは先にご紹介したDeep Oceanの他、KhakiCoralの3色展開です。

そして、この間仕切りカーテンの裏面は、Confetti(N9012316003)。紙吹雪がゆらゆらと舞い降りる筋道を描いた、ゆらぎのあるラインが印象的なデザインです。

ヘリンボーンのベース生地と、刺繍の柔らかな光沢のコントラストが美しく、様々なイメージに合わせることが出来ます。例えば、こちらのように縁取りに同ブランドのトリム、Latticework(N9031020002)を合わせればトラディショナルな雰囲気に。

色違いのCharcoalに、ダークカラーのシアー(画像左:WIND/Crystal 4)を合わせると、全くイメージが変わってマニッシュな雰囲気に。

他にCopperEcruがあり、全4色の展開です。

さらに、プリント生地のラインナップをご紹介しましょう。

こちらは、Ninfea Mania(N9012313003)
池の中の様々な生き物からインスピレーションを受けたリチャードが、中でも特に密集するスイレンとそのユニークな葉の形に夢中になったことから、スイレン・マニアという意味にあたるこの名前を付けたとのこと。彼がペインティングした筆のタッチが生き生きと見てとれるプリントです。

続いて左側の画像は、Chiquita(N9012312)
陽気なブラジルの友人から名前を借りたという、リネンプリント。図案化されたパイナップルが絡み合った形は、ペイズリー柄を思い起こさせます。クラシカルな雰囲気の中にも No.9 らしい”ひねり”が効いていますね。

そして右側の画像は、Song Bird(N9012311)
鳥と花と葉が優しいスタイルで描かれたデザイン。自然界にあるのと同じように、羽と翼の模様がカモフラー ジュとして生かされ、形、色、モチーフのミックスという遊び心にあふれたファブリックです。

最後に、幾何学パターンの2アイテムをご紹介します。

画像上段のBunting(N9012314005)は、小さな三角形の重なりが互い違いに配され、全体で見ると幅広いストライプの模様を成しています。シャリ感のあるコットン地にプリントされたその模様は、Bunting=「旗」の名前の通り、お祝いの横断幕を連想させます。

画像下段のPannier(N9012317001)は、ピクニックバスケットの網目模様がモチーフ。美しいリネン地に、ハンドブロックプリントならではの特徴が素朴なタッチで表現されています。

ご紹介してきたJUBILEEコレクションの7柄の中での、カーテン、クッション、椅子張地といったコーディネートはもちろんのこと、これまでに発売しているNo. 9 THOMPSONのファブリックとの相性もよく、幅広くコーディネーションを楽しんでいただけるコレクションです。

今年イギリスはエリザベス女王在位70周年「プラチナジュビリー」を祝う年です。イギリス人のリチャードが、コレクションのネーミングにこちらを意識したことは大いに考えられるでしょう。華やかなお祝いムード溢れる、イギリスと東洋の伝統の融合を感じられるファブリックで、お部屋の中にも春の訪れを表現してみてはいかがですか?

☆『JUBILEE』コレクションについては、東京ショールームのInstagramでもご紹介しています。ぜひこちらも合わせてチェックしてみてください。

New!!『OSBORNE&LITTLE』×『Nina Campbell』ディスプレイ

2022.02.15 / tokyo

暦の上では春を迎えましたが、東京でも雪の予報が相次ぎ、暖かな春はまだしばらく先になりそうですね。

東京ショールームでは、UKコーナーのディスプレイをリニューアル。
英国ブランド、OSBORNE&LITTLE(オズボーン&リトル)Nina Campbell(ニナ・キャンベル)の新作ファブリックを使ったミックスコーディネイトをご提案しています。

今回オズボーン&リトルのメインコレクションは『EMPYREA』。
「エンピリア」とは、古代の宇宙論における天国の楽園のこと。現実のみならず想像上の風景や庭園を描いたようなファブリックと壁紙が揃います。

そしてニナ・キャンベルのメインコレクションは『MARACANDA』。
「マラカンダ」とは、ウズベキスタンの宝石とも言われる都市、サマルカンドの古い呼び名。シルクロードで見られる豊かで多様な文化・工芸品を思い起こさせるエキゾチックなデザインが揃います。

これら2つの異なるコレクションを、春らしいフレッシュなグリーンやイエローを中心に、温かみのある素材やテクスチャーのクッションも組み合わせて、冬の名残りから春の訪れを待つ季節感を表現してみました。

それでは、ひとつひとつご紹介していきましょう!

まず初めに、中央のタペストリー仕立てにしたファブリックは、オズボーン&リトルの「Amphora」。 花瓶の部分は絶妙なカラーの組み合わせで、そこに図案化された植物をあえてアイボリーのみで表現しているところが、何とも心くすぐる逆転の発想だと思いませんか??

Amphoraとは古代ギリシャの壺や花瓶のこと。そのネーミングから推測するに、花よりも花瓶のほうが主役と言ったところでしょうか。

花や葉は刺繍専用の毛糸を用いるクルーエル刺繍が施されていて、リネンのベースに厚みのある刺繍がナチュラルかつラグジュアリー。

このようにタペストリーに仕立てて「アート」として楽しんでみてはいかがでしょうか。また、この花瓶のカラーリングは、浅葱色・弁柄色・芥子色など、和の伝統色を連想させる趣もあるので、和モダンな空間に合わせてもいいのでは?と想像が膨らみます。

続いてその隣のカーテンは、ニナ・キャンベルのファブリック。
画像右側は「Samarra」 。
インド南東部のテキスタイルから着想を得た「生命の木」のデザインが、柔らかに描かれた絵画のように表現されています。ちらっと見せた裏地はハーレクインのコットンサテン「Empower Plain」を合わせました。先にご紹介したタペストリーからカラーを引用しており、裏地でスパイスを効かせる、遊び心の試みです。

クローズアップして見てみると、ベースはヘリンボーンの織り柄があるリネン生地。プリントは発色がはっきりした部分と擦れたような部分があり、ヴィンテージ感を表現しています。

伝統的な更紗が現代風にアレンジされ、エキゾチックでありながらエレガントさが漂うデザインは、ニナ・キャンベルならではのもの。

そして、画像の左側のカーテンは、織生地が揃うコーディネイトコレクション『TURFAN』より、木の葉が一斉に芽吹いたような小紋柄の「Miran」。椅子張地としてもお使いいただけますが、柔らかさもありカーテンにしても美しい仕上がりです。

続いて、クッションをご紹介しましょう。

オズボーン&リトルから同時に発売された、チェック柄の織生地が揃うコレクション『CASSIANO』より、左の画像、手前のクッションは、シェブロン柄のベースに、スペース染を施したスラブ糸を縦横に走らせてウィンドウチェックを描いた「Faloria」。
右の画像、奥のクッションは、濃淡のラインで描き出されたチェック柄がモダンな印象の「Cassiano」。
クラシカルなチェック柄でも一捻りあるのが、オズボーン&リトルらしいところ!

またその他に、異なる素材で豊富なバリエーションのコーディネイトコレクションも揃います。

最後に、こちらの画像にあるマチ付きの円形クッションは、ニナ・キャンベルの「Topkapi」。ブランドのInstagramに掲載されていたこの円形デザインがとても素敵だったので、メダリオン柄が円の中にバランスよく納まるよう、Instagramの画像をお手本に再現してみました。

また、クッションを載せているイエローのスツールは、一つ前のニナ・キャンベルのコレクションの生地で張ったものですが、座面も側面もカラーがぴったり!これがニナのデザインの秀逸さで、コレクションを超越してもカラーがマッチするように、テーマが変わってもブレないカラーバリエーションで構成されているからなのです。

今回の新作コレクションを使ったディスプレイでは、異なる世界観のコレクションのミックスコーディネイト、ファブリックをアート感覚で飾るタペストリー、裏地の色合わせ、マチ付きの円形クッションなど、いくつかの試みをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

マナトレーディングでは、世界各国から選りすぐりのファブリックを豊富に取り揃えております。お気に入りのアイテムをお楽しみいただくアイデアとして、皆さまもぜひトライしてみてください。

New!!『HARLEQUIN』ディスプレイ

2022.01.15 / tokyo

2022年、新しい1年がスタートしました!
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

ショールームブログやInstagramより、引き続き新しい情報を配信していきますので、空間づくりのヒントにしていただければ嬉しく思います。

さて、新春の東京ショールームエントランスを飾るのは、HARLEQUIN(ハーレクイン)。洗練された中に遊び心があり、刺激的なデザインや革新的な質感、巧みな色使いで世界の人々に愛されているイギリスのエディターです。

今回のコレクション『COLOUR I』は、モダンなダマスク柄やアイコニックな花柄からシャープな幾何学柄まで、盛りだくさんのラインナップをお楽しみいただけるコレクション。

Rewild(自然への回帰)
Renew(再生)
Retreat(安らぎ)
Reflect(現代を映す)

時代を反映した4つのテーマのもと、HARLEQUINの代表的なデザインにビビットな新柄が加わって、様々なシーンにコーディネートできる幅広いテイストのファブリックと壁紙が揃います。

そのディスプレイがこちら↓↓

左右2つの異なる世界観で構成しています。

それでは、左から順番にご紹介していきましょう。

ひと際目を引くパネル柄の壁紙は、「Floreana」。HARLEQUINのデザインチームによるのコラボレートで作られたもので、ペンやインクで描かれた繊細なディテールから、絵画のように重なった木々や美しい色彩まで、”ボタニカルの祭典”とも言える華やかさ。

また、ベース部分にもご注目ください。

Floreana 112777

Bleached Coral(展示色)のマイカベースは繊細なきらめきを持ち、描かれた植物が生き生きと感じられます。

このマイカ(雲母)、身近なところでは車の塗装やお化粧品に含まれる真珠のような光沢感を思い浮かべていただくと、分りやすいでしょうか。もしくは、日本でも古くから唐紙や浮世絵の印刷に使われている「雲母擦(きらずり)」という技法にも通じるものもあるのかもしれません。

ちなみに、もう1色のBlack Earthバージョンは、モノトーンで描かれた静かなイメージの植物柄が、玉虫色に輝くゴールドのベースによって上品な光をまとうカラーリング。

 Floreana 112778

同じデザインでも、全く違った表情で、様々な表現テクニックへの拘りを感じます。

Dance of Adornment 121008

続いて、画像左側のドレープ生地は、今回のコレクションブックの最初のページを飾る、「Dance of Adornment」。熱帯雨林の茂みにカモフラージュされた中に、よく見るとカラフルな鳥たちが生き生きと描かれています。

右側は、サテンのドットがアップリケされたシアー生地、「Yoko」。復活柄なので、見覚えのある方もいらっしゃるかもしれませんが、動きのあるユニークなデザインです。

Melora 112760

続いてもう1種の壁紙は、鮮やかな色彩とボタニカルな雰囲気溢れるモダンなダマスク柄の、「Melora」。インクのカスレや、少しズレたり重なったりした表現で、手刷りの風合いを醸し出しています。

Matupi 12100

そして、画像左側のドレープ生地は、アジアの熱帯草原にちなんで名づけられた「Matupi」。さまざまな植物の葉が草原を吹き抜ける風になびいたように描かれてます。

画像右のドレープ生地は、サンゴの仲間の名前に由来する、「Gorgonian」。 珊瑚礁と熱帯雨林の植物からインスパイアされたデザインで、リネン地に光沢のある刺繍という対照的な質感の組み合わせが、ナチュラルテイストに上品さをプラスしています。

cusions

また、足元のクッションでモダンなイメージをプラスしています。

ご紹介しました今回のディスプレイ、新年にふさわしくフレッシュなカラーが、見るたびに明るく元気な気分にさせてくれます。HARLEQUINが得意とする、鮮やかなボタニカルと彩り豊かな抽象的デザインのマッチングをお楽しみください。

★今回のエントランスディスプレイを、東京ショールームのInstagramアカウントでもご紹介しています。ぜひ、あわせてチェックしてみてください!
https://www.instagram.com/p/CYV6S5xrmge/

New!!『RUBELLI』ディスプレイ

2021.12.28 / tokyo

2021年もいよいよあと僅かとなりました。大掃除やお正月の仕度など、何かと気忙しくお過ごしのことと思います。

さて、東京ショールームでは装いを新たに新年を迎えるべく、今年最後の模様替えをしました!その中から今回はイタリアのラグジュアリーブランドRUBELLI(ルベリ)展示コーナーをご紹介いたします。

RUBELLIコーナー

水の都ヴェネチアの’’運河の煌めき’’を思わせるようなブルーのドレスにご注目ください!!まるでカーニバルの仮面舞踏会から飛び出してきたかのよう。

肩からまとうガウンは、ピュアシルクダマスク織りの「San Polo(サン・ポーロ)」。2021年、RUBELLIのお膝元であるヴェネチアが、共和国建国から1600年を迎えたことを記念して創られたシルク生地の究極の逸品です。

カラーパレットは16色。これは、1600年にちなんで1世紀ごとに移り変わる時代、そして街からインスピレーションを受けています。

この「San Polo(サン・ポーロ)」のデザインソースとなったのは、時代を超えて高い人気を誇るRUBELLIのアイコン的なデザイン「San Marco(サン・マルコ)」。このSan Marcoのデザインスケールを半分にし、より鮮やかなカラーで表現することでクラシカルなダマスク柄をコンテンポラリーに寄せています。経糸と緯糸の絶妙なコントラスト、上質で軽やかなシルクの質感を、ショールームにてぜひお手に取ってご覧ください。

そして、今回のコレクションのサンプルブックは、見開きでSan Marco とSan Poloが収録されているのですが、皆さまお気付きでしょうか?

…2つの名前を合わせると、ヴェネチア出身の商人・探検家として有名なマルコ・ポーロになります!彼が旅したシルクロードを通って東洋から西洋へと伝わったシルク。RUBELLIが織りなすこの究極のシルクのコレクションへの繋がりを感じます。

タイムレスに愛され続けるダマスク柄の、王道とも言えるSan Marcoとコンテンポラリーに進化を遂げたSan Poloの兄弟柄。ヴェネチアが誇るシルクファブリックを継承し続けるRUBELLIが培ってきた経験とものづくりへの情熱から生まれる、エネルギーに満ち溢れたファブリックです。

サンプルブックの扉の内側には、ヴェネチアならではのこんな風景も。

続いて、今回展示に加わりました壁紙、新作の『THE WALLS OF VENICE VII』コレクションより3点をご紹介いたします。

まずこちらの壁紙が、前述のファブリックと同柄の「San Marco Wall」です。表面のビニール素材にエンボス加工が施され、織物の立体感が表現されています。

次に、「Déjeuner Sur L’herbe Wall」トワレドジュイのコンテンポラリーな新解釈で「草の上の朝食」という意味の名前がついています。自然の中で語らう様子が生き生きと描かれており、大変優雅な雰囲気です。

最後に、「Burano Wall
2つの橋、運河、ヴェネチアンゴシックの窓…カラフルなヴェネツィアのブラーノ島がテーマとなっています。キャンバス地に描かれた油彩画を飾る感覚で、アクセントクロスにいかがでしょうか。

改めまして、今年も1年マナトレーディングをご愛顧いただき、また、ショールームブログをご覧いただきまして誠にありがとうございました。
それでは皆さま、良いお年をお迎えくださいませ。

※東京ショールームは2021年12月29日より2022年1月4日まで冬期休業となります。

New!!『Sanderson』ディスプレイ

2021.10.16 / tokyo

秋の虫の声が聞こえ、いつの間にか日暮れが早くなっていることにふと気が付き、季節の移ろいを感じます。

さて、今回は少し前から東京ショールームにて展示を開始しております、サンダーソンの160周年記念コレクション、その名も『ONE SIXTY』のファブリック壁紙をご紹介したいと思います。

英国王室御用達ブランドとして名声を誇る『Sanderson』は、1860年の創業以来、英国の美しい自然からインスピレーションを受けた数々のデザインを生み出し続けてきました。

今回のコレクションは、中でも長きに渡り愛されてきたアイコニックなデザインを選りすぐり、さらに新しいカラーパレットもプラスされ、トラディショナルからコンテンポラリーまで様々なテイストにマッチするアイテムが揃いました。

こちらが、東京ショールームのサンダーソンコーナー。
このフローラルデザインの豊かなバリエーションと言ったら!!これぞサンダーソンの真骨頂、歴史の長さを感じます。

それではまず、代表的な花柄デザインのひとつ『ROSE AND PEONY』を例にとってバリエーションの展開をご紹介したいと思います。

『ROSE AND PEONY』は1914年に初めて壁紙デザインとして誕生しました。その後1929年にプリントファブリックとして、多色へ展開した伝統的なアイテムです。

画像左は継続カラーのシックなレッド、画像右が明るく爽やかな新色、セージ&コーラルです。

そして、こちらのクッションも同じく『Rose&Peony』の新色、チェリー&ビリジアン。ポップで少しレトロな雰囲気も漂うカラーリング。生地は前述の素材とは違うベルベットで、とても触り心地の良いクッションに仕上がりました。小物使いでも十分に存在感があり、アイキャッチなお部屋のアクセントになりますね。

さらなるバリエーションとして『Rose&Peony』からインスピレーションを受けてデザインされた『Very Rose and Peony』。オリジナルの花柄を拡大して配置しており、カラーも鮮やかでドラマチック。よく見ると、経年変化したようなカスレが表現されており、どこか懐かしいけれど新しい魅力溢れる新作です。

こちらもまた、張りのあるコットンリネン(画像左)と柔らかく重厚なベルベット(画像右)2種類素材違いでお楽しみいただけます。

次に、こちらも人気の高いデザインのひとつ『Dandelion Clocks』。風に舞うタンポポの綿毛を表現したもの。レトロでポップな印象の楽しいデザインです。

続いて壁紙をご紹介します。
画像右側は先にファブリックをご紹介した『Dandelion Clocks』です。新色含め、6色展開の豊富なカラーバリエーション。ファブリックとは少しデザインが違っていますので、比べてみてください。

そして左側は、英国紳士がキツネ狩りに興じているシーンを描いた『Tally Ho』。タリホーとは、キツネ狩りの際、獲物を見つけた時の掛け声なのだそうです。猟犬はおそらくフォックスハウンドでしょうか。躍動感に溢れていますね。書斎や趣味のお部屋にいかがでしょうか。

ストーリーのあるデザインの壁紙としてもうひとつご紹介したいのが、画像中央上段のトワレ柄。イソップ寓話のシーンを表現した『Aesop’s Falbles』です。「ウサギとカメ」「キツネとツル」など日本でも広く知られるお話が描かれています。

最後に、壁紙展示コーナーに施工しました『Hykenham』をご紹介しましょう。こちらは小窓を囲むように貼ってありますので、実際お部屋に施工した様子がイメージしやすいかと思います。

このクラシカルなフローラルデザインもまた、サンダーソンを象徴するデザインのひとつで、上へと立ち昇るように曲線を描く枝葉の流れ、それに沿って咲き誇る花々がとてもエレガント。何十年もの間、当時のデザインスタジオを支えたケニス・トゥルーマンによるデザインです。彼は、特徴を捉えた花の表現や、パターンとしての配置にこだわり、いくつもの人気デザインを生み出しました。

160年の歴史の中で生み出された、今も色褪せないデザインと、アーカイブをもとに進化、挑戦し続けるサンダーソン。英国に根付く歴史と伝統に裏打ちされた素晴らしいデザインの数々を、ぜひお楽しみください。