MANAS TRADING

2022年09月のブログ一覧

New!!『Sanderson』&『HARLEQUIN』ディスプレイ

2022.09.30 / tokyo

台風が心配な季節がまだ続きそうですが、一雨ごとに秋らしさが増し、朝晩は過ごしやすくなってきましたね。

さて今回は、東京ショールームのUKブランドコーナーを華やかに彩る『Sanderson(サンダーソン)』と『HARLEQUIN(ハーレクイン)』の新作ディスプレイをご紹介いたします。

 

 

画像の中央から右側がSanderson、左側がHARLEQUINの新作アイテムです。

英国王室御用達、160年を超える歴史を持つサンダーソンは、東洋の美術や文化からインスピレーションを得て、水の庭園をテーマにした「WATER GARDEN」コレクションを発表。

19世紀末から20世紀初め、多くの英国の邸宅に造園され、大流行したオリエンタルな雰囲気の池のある庭園。その永遠の美しさを、膨大なアーカイブ資料からの新たな発見にインスピレーションを得て表現しています。グラマラスな華やかさとともに、繊細なメタリックカラーと鮮やかな色彩が融合し、彼らの王道であるカントリースタイルの美学に現代的なひねりを加えています。

そして、ユニークでファッショナブルなデザインを、エネルギッシュなカラーで表現し楽しませてくれるハーレクインは、ロンドンにデザインスタジオを構えるアーティスト、ダイアン・ヒルとのコラボレーション、「HARLEQUIN×DIANE HILL」コレクションを発表。

彼女が生み出す中国古来のデザインへの愛情あふれる作品は、ロックダウン中にSNSを通して瞬く間に人気に。その作品がハーレクインのデザインチームの目に留まったことによりこのコラボレーションが実現しました。彼女のハンドペイントによるシノワズリ柄の美しい作品は、伝統的な様式にモダンなテイストを加え、個性的なスピリットを表現しています。

それでは、ディスプレイのアイテムをご紹介いたしましょう。


まずはサンダーソンから。
画像右側は、Pagoda River DVIPPA203
1860年、サンダーソン社は壁紙の生産からスタートし、後の1921年にファブリックの生産を開始しています。このPagoda Riverは、1910年代、同社のファブリック部門の前身である「イートンルーラルコレクション」の中でも初期のデザインです。
当時のヨーロッパは、中国や日本の美術品が人気を博し、東洋の産物が初めて広く入手できるようになった頃。 とは言え今のように自由に情報を集められる手段がなかった時代に、遥々渡ってきた陶磁器の文様などから、遠い異国に思いを馳せていたのでしょうね。
よく見ると、版のズレや、インクの擦れといった風合いが見られますが、オリジナルの生地のプリント技法である、ロータリー・ブロック・プリントの特徴を表現したものです。

画像左側は、Chinoiserie Hall 237275
数々の美しい壁紙をデザインしたことで知られる、ウィリアム・ターナーがデザインしたアーカイブの壁紙「Chinese Magpie」からインスピレーションを得たもの。今回の解釈では、微かに玉虫効果を出すよう光沢が美しいレーヨン糸で緻密に刺繍されたインコが春の花や清楚なつぼみに囲まれた繊細な枝にとまっているデザインとなっています。幾重にも色を重ねた刺繍糸のグラデーションによって生まれる立体感にもご注目ください。


続いてこちらも刺繍が美しい、Laburnum Falls 237272
垂れ下がるキングサリ(黄花藤)が、強い暗色のベース地とのコントラストにより際立って見えます。 シルクのようなステッチと、黄色とピンクで縁取られた種子のさやが、アーカイブからインスピレーションを得たデザインに、ナチュラルなエレガンスをもたらしています。


画像右側の生地は、Emperor Peony 226960
ロンドンの壁紙印刷会社Jeffrey社による1920年代のアーカイブデザインです。中国にインスピレーションを受けた装飾スタイルで、大きな牡丹と熱帯の蝶があしらわれています。
1836年創業のJeffrey社の作品は、今回のコレクションの中でも際立つ存在です。当時、様式化された特大の花首が、茎にもたれ掛かるように優雅に巻きつくパターンが特徴的でした。

画像左側の壁紙は、Bamboo & Birds 217129
アーカイブの壁紙からインスピレーションを受け、手作業でブロックプリントされたような質感を表現しています。日本からの影響を受けたデザインで、竹が縞模様となり、ハイビスカス、アジサイが全体に施され、エキゾチックな鳥がとまっている背景には、藤の花などが絡まるように咲いています。直線的な竹のラインと、それとは対照的な生き生きと動きのある鳥たちの描写に、静と動を感じます。


そして、左側の画像のクッションは、Pagoda River DVIPPA202
先にご紹介したカーテンの色違いです。川辺で網を仕掛けたり魚釣りをする人、煙草をくゆらす人、楽器を奏でる人。どこを切り取っても絵になるこのデザインを、額縁に入れて飾るようにフレームを付けて仕立ててみました。(フレーム・裏面:バンプ749を使用)

右側の画像のクッションは、Bonsai & Gingko 237276
サンダーソンのスタジオでデザインされた、緯糸にディテールを持つジャガード織りで、とても手触りの良い柔らかなコットンベルベット。 Gingko=イチョウの意味。イチョウと盆栽の「森」が、見事な枝振りで表現されています。

続いてハーレクインをご紹介しましょう。

ハーレクインと共に今回のコレクションを手掛けた、ダイアン・ヒルはこんな想いを語っています。

シノワズリはとても美しく高尚な芸術であり、長い間もっと身近なものにしたいと願ってきたこと。
今回のコラボレーションは、とてもエネルギッシュな高揚感を与えてくれるように感じていること。
色やスタイルの限界に挑戦し「今までにないシノワズリを作る」という意気込みで。

また、ハーレクインが掲げる「個性」を讃える「#OWNTHEROOM」というの理念の一環として、
個性的な道を切り開いた先駆者でパワフルな女性の名を冠した、アイテム名にもご注目を。


画像右側の壁紙は、Lady Alford 112901
竹の茎にアネモネの花を絡ませたクラシックなデザインは、18 世紀に女性の着替え室や寝室に使われたシルクの壁掛けに由来しています。

画像左側の生地は、同柄のLady Alford 121100
こちらは、陶磁器を思わせるような白地にブルーの濃淡で表現されています。


続いてこちらのセミシアー生地は、Emmeline 121114
参政権運動家エメリン・パンクハーストにちなんで名付けられており、韓国の蝶の芸術からインスピレーションを得た、自由奔放で素敵なデザインです。広々とした大地にはばたく繊細な羽を、緻密なディテールでリアルに表現しています。やわらかく光を通す透け感で、風に揺れるたび、優雅に蝶が舞うように見える絶妙な配置で描かれています。


さらに、左側の画像の生地は、Marsha 121108
LGBTQ運動に影響を与えたマーシャ・P・ジョンソンの名を冠したもの。明るく。大胆であれ。あなたらしく。 このひと際大きいサイズ感の色彩溢れる様は、ポピーと牡丹の巨大な花束にインスパイアされたものです。こちらは豪華なコットンベルベットで、椅子張地としてもお使いいただけます。また、カーテンには素材違いでエレガントなコットンサテンもお選びいただけます。

右側の画像の生地は、Marie 121116
フェミニンで浮遊感のある、ダイアンの植物画への愛情が感じられる、ソフトで優しいデザインです。キュリー夫人にちなんで名づけられたこの作品は、ジューシーな洋ナシとつる性の植物、そして繊細な花々がアクセントとなり、英国的な雰囲気を醸し出しています。

同じ「シノワズリー」がテーマでありながら、異なるテイストで表現された2つのブランドからのコレクション。皆さまはどちらがお好みでしょうか。
ハーレクインの理念を引用すると「最高のインテリアとは、私たち自身を反映したときに生まれる」と!
堂々と、気負わずに。
あなたらしいスタイルで、エキゾチックなシノワズリのデザインをお楽しみください。

☆東京ショールームのInstagramアカウントでもご紹介しています。
 こちらも併せてチェックしてみてください!

New!!『No.9 THOMPSON』ディスプレイ

2022.09.02 / tokyo

このところ朝晩は随分過ごしやすくなり、季節の移ろいを感じます。
皆さま楽しい夏を過ごされましたでしょうか。

さて今回は、タイシルクで名高い『JIM THOMPSON(ジム・トンプソン)』のカジュアルライン、イギリス人デザイナーのリチャード・スミスによる『No.9 THOMPSON(ナンバーナイン・トンプソン)』の新作ファブリックをご紹介いたします。
※リチャード・スミスについては、こちらのブログでご紹介しています。ぜひ、合わせてご覧ください。

今季のコレクション『AZTECA PRINTS』と『CANCUN INDOOR OUTDOOR』は、リチャードがここ数年、何度かメキシコの友人を訪ねて旅をしたことから、限りないインスピレーションを得たもの。広大でユニークな国の色彩、自然、工芸品から多くのアイデアが生みだされ、集約されています。 

皆さまは「メキシコ」と聞いて、どんなイメージが浮かびますでしょうか。リチャードが旅して感じたメキシコの思い出を、私たちにもシェアしてもらいましょう!

こちらが、JIM THOMPSON & No.9 THOMPSONコーナーの新しいディスプレイです。

カーテンは上部のヒダ山が一体となったバランス付きとなっています。
バランス部分の生地は、Exotic Birds N9012330002
鳥達がお互いに話をしているかのような鳴き声が聞こえてきそうですよね。パターンも色も自由自在に表現され、自然を謳歌するようなデザインです。

そして、ベースとなるカーテン本体部分の生地は、スペイン語で「密林」を意味する、Selva N9012329002
ご覧の通り、先ほどのExotic Birdsの止まり木となっている、小枝でできたトレリスのみで構成され、鳥がいないシーンで作られています。 この 2 つの柄は、色、大きさ、地模様が同じなので、この様にコンビネーションで使うことができます。

バランスの縁取りと、タッセルにあしらったボーダーは、国内在庫品のオリジナルコレクション『MANAS-TEX』の新作アクセサリーより、パサージュ4。遊び心あふれるバランス部分を引き締める程良いアクセントとなっています。

続いて同じく『AZTECA PRINTS』コレクションの鮮やかなプリント生地を、幾つかピックアップしてご紹介しましょう。

左側の生地は、Azteca N9012331002
コレクション名でもある「アステカ」は、メキシコの国馬にもなっている馬の品種名。生まれつきの運動能力で知られるこの馬の、ダンスのようなポーズをとらえることで、このプリントにエネルギーが与えられています 。絵画的な幾何学模様のベースが、馬の動きをさらに際立たせています。

右側の生地は、Pikat N9012325001
イカット(絣)のような柔らかなタッチで描かれた魅力的な孔雀のデザインですが、Peacock(孔雀)のIkatで、Pikatという、思わずクスっと笑ってしまうような遊び心溢れるネーミング。シンメトリーに配置された繰り返し模様は、伝統的な衣服に見られる模様にインスパイアされたものですが、No.9 のフレッシュな視点で再構築されたものです。

左側の生地は、スペイン語でブドウ園を意味する、Vinery N9012327002
柔らかな曲線を描く蔓が、素朴でかわいらしいリネンの上に乗っています。水彩画で丁寧に描かれたこの生地は、ドレープカーテンとしてまとめると生き生きとし、お部屋の大きなエレメントとして動きと深みを与えます。

右側の生地は、気持ちや情熱が「燃え上がっている」「気合が入っている」 といった意味を持つ、Fired Up N9012326002
大胆なスケールと抽象的なペイントマークで炎のようなジグザグのステッチを独創的に表現したこの作品はNo.9 コレクションのどのようなデザインにも美しく調和します。こちらのブルーバージョンは、波打ち際のようにも見えますね。

続いて、『CANCUN INDOOR OUTDOOR』コレクションをご紹介します。
いずれも、光による退色がしにくい方法で染色されており、アウトドアで使用することができます。また、浸透タイプのため、水分が表面に留まらず、乾きやすい生地です。

ネイビーのクッションの生地は、Starfish Beach N9012322002
No.9のベストセラーPalm Plainをベースとしており、ランダムに配置されたヒトデと合間に散りばめられたシーパールは刺繍で表現されています。
パイピングコードには、マリンロープを思わせる HOULESのOCÉANIE PIPING CORD 31313-9000を使用しています。

そしてもうひとつのクッションの、表面は、El Bagre N9012321001
泳ぐ魚の古典的なモチーフを刺繍でグラフィカルに表現しています。コントラストカラーが目を引き、遊び心のある楽しいシーンにも、洗練されたインテリアにもしっくりとなじみます。
パイピングコードは、JIM THOMPSONのSilk Micro Cord on Tape JT030026019。魚の目の色にあわせてオレンジ色に。

続いてこちらは、コレクション名にもなっている、Cancun N9012318
中央アメリカのヴィンテージテキスタイルに見られる、さまざまな幾何学モチーフやテクスチャーからインスピレーションを得た横縞の織物です。

最後に、『CANCUN INDOOR OUTDOOR』コレクションの中でも、豊富なカラーバリエーションでそれぞれ単冊としてまとめられている2アイテムをご紹介します。

左側は、Tulum N9012320
手織りのテキスタイルにインスパイアされた豪華でがっしりとした幾何学模様。この総柄のデザインは重厚感があり、無地のファブリックと組み合わせてもスタイリッシュにまとまります。

右側は、La Paz N9012319
前述のTulumよりよりはるかに小さい小紋柄で、ヘザーの縦糸(混色した糸)で織られており、まるで工芸品のような風合いです。デザイン自体はシンプルに生地の表面を崩して深みを出しています。

リチャードが旅で感じた「メキシコ」を私たちに伝えてくれる、色彩と情熱に満ちたコレクション。明るく鮮やかな彼らしいカラーリングが、太陽の光溢れるメキシコのイメージにピッタリですね。アステカのピラミッドや、カンクンビーチに思いを馳せ、ぜひお部屋に取り入れてお楽しみください。