MANASでは、時々セミナーやワークショップなどを開催しています。
先月名古屋では『大塚あや子さん「モリスと刺繍の世界」セミナー』を開催いたしました。HPのNewsをはじめInstagramやブログから告知しておりましたがお気づきになられましたか?
内容や規模は都度異なりますが、興味はあるけれど参加する勇気がないな…という方のために少しだけイベントの様子をご紹介したいと思います。
今回のセミナーテーマは「モリスと刺繍の世界」。発売になったばかりのMORRIS&Co.「ARCHIVE V – MELSETTER COLLECTION」には刺繍のデザインが多く収録されていることから、刺繍作家としてご活躍されている大塚あや子さんをお迎えし、モリスの魅力を刺繍作家の目線で語っていただきました。
例えばモリスがデザインの仕事を始める原点となった20代のフランス旅行で目にしたものとは!?
‛ラスキン’レースと呼ばれる刺繍技法とモリスとの意外な繋がりとは!?
などなど実際に画像や写真を交えて「モリス」と「刺繍」について学びを深める内容が凝縮されていました。「MORRISWORLD.jp」では、セミナーでは伺えなかった大塚あや子さんへのインタビューを掲載しています。あわせてお楽しみくださいませ。
続いてこのコレクションのインスピレーションの元となった刺繍作家のモリスの次女、メイ・モリスのエピソードと共に、MANASより代表的な生地をご紹介。(メイ・モリスの関連エピソードはこちらの東京ブログで詳しくご紹介しています)
そしてセミナーの最後は、実際に生地に触れながらご覧いただける自由時間をもうけました。
この時は大塚先生のお人柄のおかげもあって、モリスの刺繍生地を囲んで参加された皆様とのご歓談の輪が広がりました。
いつものショールームとはひと味ちがったショールームならではのイベント。またこういった愉しい企画を考えていきたいと思いますので、その時はぜひチックしてみてくださいね。
今回は「MANAS Mail Information」(メールインフォメーション)からは告知の配信はしておりませんでしたが、MANASからの耳よりなおすすめ情報をお届けしています。もしまだの方がいらっしゃいましたらぜひこの機会にご登録くださいませ。(ご登録はこちらへ★)
カーテン:Newill Embroidery 236824
壁紙:Melsetter (3m Stocked) 216706
額装(壁紙):Seasons by May 216685
こちらはMELSETTER COLLECTIONでコーディネートした最新のディスプレイです。
左手前の額装はカットした壁紙を額に挟みました。とてもお手軽で簡単なアートになります。
MANASショールームはこれから秋にかけて新しいディプレイが続々と登場していきます。
ぜひ最寄りのショールームへお出かけくださいね。
クッション:左からBrophy Embroidery 236814、Newill Embroidery 236824、Mistletoe Embroidery 236817
ファッションで流行中の「トーンオントーン」。
実はインテリアでも流行っています。
トーンオントーンとは、同系色で明度差のある色を重ねる配色のことを言います。
毎年トレンドを反映したクッションを発表しているELITIS(エリティス)も、
今年は同系色でまとめたイメージを提案しています。
特にイエロー系とグリーン系のカラーが充実。
リネンやベルベットといった素材感のある無地のものと、
プリントや刺繍のボタニカルデザインのものを組み合わせることで、
それぞれの良さを互いに引き立てあうようなコーディネートが楽しめます。
エリティスには、素材やサイズの違うクッションが豊富に揃っていますので、
トレンドのスタイルも簡単に取り入れていただけます。
ショールームでもディスプレイしていますので、
ぜひお手に取ってご覧ください。
毎日暑い日が続いていますね。
残暑はまだまだ続きそうですが、暦の上では立秋。
秋の装いを始める季節を迎えています。
今回は一足お先に秋を感じさせるファブリックをご紹介します。
カーテンはもちろん、クッションやテーブルクロスなど季節使いできる小物に加工して、
秋の風流を楽しんでみても良いかもしれません。
まずご紹介するのは、MARK ALEXANDER(マーク・アレクサンダー)。
シンプルながらも洗練された色とデザインはまさに、
自然素材のもつ美しさを最上級に活かすためにあります。
デザイナーのマーク・ブッチャーと、アレクサンダー・マッケンジーが
デザインのインスピレーションとして度々取り入れてきたものの一つが、日本の古美術。
今年発売されたコレクション、『SHIBUI』、『MODERNA』は、
どこからか澄んだ風鈴の音や、虫の音が聞こえてきそうなデザインです。
タペストリーのように使用されている生地は、ポルトガル語で「月」を意味する「Lua」。
そのデザインは水面に映る月の儚さを描いています。
藍色や柿渋色、木綿色や磨き上げられた古木のような色など、
日本人にとって昔から変わらぬ郷愁を形にしたかのようなデザインは見事、の一言。
実は隠れたファンが多いこのブランド。
マーク・アレクサンダーが世界中の産地からよりすぐった
コットンやリネンなどの素材が生み出す、質感の豊かさと可能性に驚かされます。
一度その生地に触れた方は、その魅力に憑りつかれてしまうことでしょう。
ファッション界のハイブランドにも用いられる一級品の素材で紡がれた生地は、
肌に触れるファブリック小物 ― クッションやベッドリネンなどにもおすすめです。
次にご紹介するのは、Backhousen (バックハウゼン)。
オーストリアで170年続く老舗のファブリックブランドです。
このブランドの歴史は、まさにオーストリアの歴史とともにあります。
バックハウゼンは1849年創業、
時のヨーロッパで絶大な権力を誇っていたハプスブルク家御用達の
ファブリックメーカーとして、オペラ座や国会議事堂など
多くの公共施設に生地を提供し、確固たる地位を築きます。
19世紀末には、ウィーン分離派の芸術家たちによって発足した
芸術運動「ユーゲントシュティル」に参加、
その中心人物であるヨーゼフ・ホフマンやコロマン・モーザーによって設立した、
「ウィーン工房」のファブリックとカーペット製品のほとんどを手掛けました。
そのため今日でも、ホフマンらが残したデザインの貴重なアーカイブは
バックハウゼンが保管しています。
さて、今年発売されたバックハウゼンのコレクションは、
そのアーカイブからの復刻デザイン。
「ウィーン工房」の発足メンバーの一人であり、優れたプロダクトデザイナーであった
DAGOBERT PECHE(ダゴベルト・ペッヒェ)のコレクションです。
DAGOBERT PECHE (1887~1923)
今回東京ショールームで間仕切りのカーテンとクッションを製作したのは、
「VIOLA」と「SOMMER」。
朝顔やアザミ、チューリップなど花々のシルエットが、
暗闇の中で踊り輝くように広がります。
ダイヤ柄の生地「VINCENT」も、
空間を引き締めるスパイスとして小物使いにお勧めです。
一見バロック調の優雅なデザインに、ブラックやビビッドなパープルやピンク、
コバルトを用いることで、
上品ながらもアヴァンギャルドな雰囲気を併せ持つ、
唯一無二のデザインに仕上げています。
『HOFFMANN Ⅱ』コレクション
その他にもバックハウゼンではヨーゼフ・ホフマンをはじめとする
19世紀のモダンデザインを、
現代でも使いやすいカラーバリエーションで展開しています。
今年、オーストリアと日本との外交樹立150周年を記念して
大規模な美術展をはじめとするイベントが各地で催されています。
先日まで東京の国立新美術館にて開催されていた「ウィーン・モダン展」では
まさにバックハウゼンが創業した時代 —
アート・建築において目覚しい近代化が進んだ、19世紀末から20世紀初頭の
コレクションを中心とした、過去最大規模の展覧会となりました。
8月27日からは大阪の国立国際美術館へ巡回予定。
お近くの方はぜひ足を運ばれてみては。
芸術の秋。
普段とは違うアーティスティックなデザインを、
インテリアに取り入れてみてはいかがでしょうか。