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New!!『RUBELLI-RETURN TO ARCADIA by Luke Edward Hall』ディスプレイ

2023.02.28 / tokyo

週1回、エントランスに飾る生花を選びに、ショールーム近くのお花屋さんに行くのですが、チューリップやアネモネなど色とりどりの春の花が並ぶようになり、風が冷たいながらも春の気配を感じます。

今回は、ヨーロッパにある最高級エディターの中で最も古い歴史のある会社のひとつ、イタリアのRUBELLI(ルベリ)のコレクションをご紹介します。

1889年ヴェネチアに創設されたルベリは、世界トップレベルの自社工場を保有しており、デザインから生産、販売まで一貫した体制で行っています。世界中から集められた4000を超える貴重なアーカイブ資料を創造源に生まれるインテリアファブリックは、各国の著名な劇場やホテルにも多く取り入れられています。

今回ご紹介するコレクションは、このルベリと”新進のデザインスター”と評されるルーク・エドワード・ホールによるコラボレートコレクション『RETURN TO ARCADIA by Luke Edward Hall』です。

Luke Edward Hall(1989~)
世界中の企業に独自のスタイルを提供する、イギリスの若きアーティスト兼デザイナー。ロンドンのセントラル・セント・マーチンズで教育を受け、ベン・ペントリース*の会社で働いた後、2015 年ロンドンに自身のスタジオを設立。バーバリーやリバティをはじめ、ディプティックやリチャード・ジノリなど、そのデザインワークは多岐に渡る。彼は、インスタグラムに、国内外を旅した写真と仕事やインスピレーションの画像を、分けることなく一緒に投稿し、友人と美的感覚を共有するツールとして愛用していたが、結果それがビジネスツールともなっており、企業はインスタグラムを通じて彼を見つけることが多いという。

*ベン・ペントリース…イギリスの建築デザイナー。
Morris&Co.とのコラボレーションで人気を博すコレクション『THE QUEEN SQUARE(2020AW)』『THE CORNUBIA(2022SS)』を手掛けており、こちらのブログでもご紹介しています。

それでは東京ショールーム、ルベリコーナーのディスプレイをご紹介していきましょう!

コレクション名『RETURN TO ARCADIA』にある、ARCADIAとは、ギリシャ南部、ペロポネソス半島の中央部の高原地帯。高い山や峡谷により他から孤立し、古代ギリシャでは”理想郷”とされ、17世紀の絵画や文芸などに影響を与えました。そしてルークもまた影響を受け、彼によって表現された理想郷が広がります。

それではまずカーテンから。
画像右側は、Ribbon Bouquet 30508-03
華やかなブーケと躍動感のあるリボンがとても立体的に見えますが、実はコットン&リネンのプリント生地です。こちらはルベリが保有するアーカイブデザインで、オリジナルは織り生地ですが特殊なプリント技術により、このような立体感が再現されています。ルークはいつも古い花柄の生地に惹かれるそうですが、古い色は彼の目には少しくすんで見えることがあると。そこで今回は背景をピーチやラベンダーにアップデート、程よい甘さを加えたものになっています。

画像左側は、Chain Stripe 30503-01
ロンドンの美術館で見つけた19世紀初頭の壁紙の断片からインスピレーションを得た、鎖がモチーフのストライプ。生地巾320㎝の広巾のタフタで、ヨコ使いにした際にタテストライプとなります。滑らかでドレープ性が良く、防炎品のため、高層マンションやコントラクトユースにも対応可能です。

こちらは、Gothic Folly 30509-01
ルークのお気に入りである、イングランド南西部グロスターシャーのペインズウィック・ロココ庭園にあるフォリー(公園の塔、遊園地のお城など、景観のアクセントとしてつくられる建造物)をモチーフに、城壁やゴシックのモチーフをスケッチしたもの。

夏の暑い日、民家の屋根が城壁のようになっているのに気づき、すぐにこのデザインが 目の前に現れたそう。目に留まったものから、こうして次々デザインが生み出されていくのですね。


カーテン上部はハトメ仕様となっており、その下にあしらったタイのジム・トンプソンのボーダー、Duquette Valancia Border JT030056004もまたユニークなデザインで、城壁の形ともリンクしています。

そしてこちらはリバーシブルの間仕切りカーテンとなっており反対側は、Quatrefoil 30510-04


Quatrefoilは、四つ葉模様を意味し、ゴシック建築やイスラム建築に見られる葉型模様「foil」の一種。
ルークの審美眼的ヒーローの一人であるフランスのデザイナー、故エミリオ・テリーのカーペットデザインからインスピレーションを得て描いた、幾何学的な形が交錯するスケッチで、とても遊び心のあるコットンプリントです。
お揃いのクッションには、国内在庫品SATELLITE-OMBRÉのサテン生地、メイサ9にてたっぷりとギャザーを寄せたフリルを付けてよりエレガントに。


カーテンの両端にはジム・トンプソンのトリム、Duquette Polka Dot Tape JT030055002をあしらってリズミカルなアクセントに。


また、こちらは、Antinous 30500-03にて作成したテーブルランナーです。モチーフは、ローマ皇帝ハドリアヌスの寵愛を受けたギリシャ人アンティノウスの肖像画。ルークはいつも古代ギリシャ・ローマの世界の人物に惹かれていて、このアンティノウスの物語は、悲しいことに最後はかなり悲劇的ですが、素晴らしいものであり、その美しさで知られるアンティノウスは、永遠に魅力的なキャラクターであり続けるだろう、と彼は言っています。


両端に付けたフランスのHOULESのキータッセル、PALLADIO35186-9720は、ハトメ穴に通してくぐらせており、メンテナンス時のために着脱可能な作りといたしました。


左の画像の生地、Rousham 30507-02に見られる、アルカディアン・ガーデンのスケッチは、イングランド南東部オックスフォードシャーの素晴らしいルーシャム・ハウス&ガーデンに触発されたものです。この庭園は、彼の家の近くの田園地帯にあるため何度も訪れている場所。グロット(洞窟)やプール、崩れかけた彫像など、神秘的で古代の雰囲気を感じさせる風景は、まさに”古典的な楽園”と言えるでしょう。リネンとコットンの地にプリントされたスケッチは彼の筆遣いがそのまま見て取れる作品のひとつです。

右の画像の生地は、Lyres 30501-01。古代ギリシャの古典的な竪琴リラのスケッチ。クラシックの世界の柔らかな音楽が、夏の柔らかな風に揺られながら聞こえてきそうなリラの姿。ベースの光沢感とラインのマットな質感がコントラストを奏でるランパス織です。


画像左の生地は、Dappled Brick 30505-01
生地の名前は「まだらなレンガ」を意味しますが、目の錯覚により、レンガが立体的に見えます。ルークが以前本で見た、ペイントされたバスルームにインスパイアされた、珍しくも大胆な作品です。

画像右の生地は、Wobble Grid 30506-02
Wobbleとは「揺れる、よろめく」の意味 。チェックを再考したもので、フォーマルでなく、より自由で楽しいチェック柄。 彼は古い更紗や色あせたストライプが好きですが、幾何学模様も大好きで、特にこのような大胆な柄は1970年代の雰囲気を醸し出しています。

最後に、ルークが今回のコラボレーションに寄せたメッセージをご紹介します。
「私が部屋をデザインするとき、最も重要な要素のひとつがファブリックのミックスであり、このアイデアがルベリとのコレクションの出発点でした。ストライプや花柄、幾何学模様、小さな柄や大きな柄など、私の好きな種類の生地がコレクションを構成しています。」 
彼の言葉の通り、様々な要素がぎゅっと詰まったコレクション、柄と柄をミックスで使ってもマッチし、ひとつだけ取り入れても存在感を放つアイテムばかりです。

☆Luke Edward Hall初来日レポート☆

先日ルークが初来日、ライブペインティングのイベントが開催されると聞き、もちろん行ってまいりました!トレードマークの風に吹かれたようなヘアスタイルを時々掻き上げながら、30分ほどでサラサラサラっと2枚の絵に色付けしていくその軽やかな筆使いと、思いのままにキャンバスが彩られていく様子を見学できる大変貴重な機会でした。写真撮影やサインにも快く応じてくれて、終始和やかでhappyな雰囲気に包まれていました。


また、数日間に渡る滞在の中で、彼のインスピレーションの引き出しに”日本”が追加されたはず。いつか彼のデザインの中でアウトプットされるのを楽しみにしています。