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New!!『MORRIS&CO.×EMERY WALKER’S HOUSE』ディスプレイ

紫陽花が雨に濡れて色鮮やかに見えるのも、雨の季節ならではの風情ではありますが、まるで梅雨明けしたかのような日差しの強い日も多く、そう遠くはない夏の気配を感じます。

さて今回は、弊社がお取り扱いしている数あるブランドの中でも、大変人気の高い『ウィリアム・モリス』の新しいコレクション『EMERY WALKER’S HOUSE』をご紹介いたします。


英国の思想家、詩人であり近代デザイン史上に大きな影響を与えたウィリアム・モリス。自然の樹木や草花などをモチーフにしたデザインは160余年を経た今日でも少しも新鮮さを失わず、世界中で根強いファンに愛され続けています。

モリスが生涯のうちに残した、多岐に渡る功績の中のひとつ、ケルムスコット・プレス社の設立をご存知でしょうか。彼は、活字のデザインに熱中し、自らのデザインにより美しく装飾された、手工芸による出版物を手掛けました。その折に、ビジネスパートナーとして協力した人物こそが、エメリー・ウォーカー卿でした。

Emery Walker
エメリー・ウォーカー卿は、彫刻家、写真家、印刷工として、アーツ・アンド・クラフツ運動の中心であった様々な組織団体において積極的に役割を担っていた人物。専門的なタイポグラファーとしての知識により、ウィリアム・モリスのケルムスコット・プレスをサポート。モリスのロンドンの住まい”ケルムスコット・ハウス”のほど近くに居を構え、毎日のようにお互いを行き来するほど親交を深め、美術工芸展協会などモリスが携わっていた団体をサポートしていました。 友情の証として彼の邸宅”ハマースミス・テラス7番地”には、モリス商会の家具など多くのモリスデザインが使われており、彼の一人娘ドロシーやその友人エリザベス、また1999年からはエメリー・ウォーカー・ハウス財団の努力により、驚くほど良い状態で保存されています。

すべてにおいて先駆者的な存在のデザイナーだったモリスにとって、 隣人であり友人、協力者、そして良き理解者であったエメリー・ウォーカー卿。今回のコレクションは、モリスのオリジナルデザインがふんだんに取り入れられたハマースミス・テラス7番地の彼の邸宅をベースに創られています。アーツ・アンド・クラフツ運動の素晴らしき痕跡である彼の邸宅から、多くのモリスデザインやハンドメイドの工芸品を再発見。まさしくこの邸宅とのコラボレート・コレクションとなっています。

それでは、収録アイテムをご紹介していきましょう。


こちらは、東京ショールームの、ウィリアム・モリスコーナーです。


画像左のカーテンは、Trent 227025
「トレント」とは、イギリスで3番目に長い川の名前。1888 年、モリス商会で最も高価なプリントテキスタイルという栄誉とともに誕生したファブリックです。
曲線を描くチューリップや曲がりくねるアカンサスの葉など、英国庭園の代表的なモチーフが描かれています。 モリスのデザイン理念である「広範囲に広がるリピートで目を楽しませる」「巧みに描かれたモチーフで魅了する」という 2 つの要素を表現したデザインになっています。ファブリックは右の画像のように3色展開、同柄の壁紙(アートワーク用)は2色展開です。


画像左のカーテンは、May’s Coverlet 237308
エメリー・ウォーカー卿の邸宅の寝室にある、印象的なクルーエル刺繍のベッドカバーのデザインを、再解釈したもの。オリジナルはモリスの次女メイによって、長年寝たきりだったとされるエメリーの妻のために作られたもので、モリス家とウォーカー家の女性たちの友情が生み出した創造性への賛辞でもあり、ウォーカー家で代々大切にされてきました。
リネン100%のベース生地に手作業で施されたメイのステッチは、彼女の驚異的な針仕事の才能を象徴するもの。オリジナルカラーを再現したインディゴの他、右の画像にある、絡みつく蔓のようなグリーンがあります。

*”刺繍の名手”であったメイ・モリスの素晴らしいデザインから着想を得た『MORRIS ARCHIVE V – MELSETTER』も2019年の発売以来、非常に人気の高いコレクションです。ぜひこちらもチェックしてみてください。


続いて、画像左のカーテンは、Bluebell 227038
英国で”春を感じる花”として知られるブルーベルの花を描いたもの。モリスの最も魅力的な資質のひとつは、このブルーベルのように、英国に自生する身近にありふれた”普通の花々”を愛したことでしょう。大きく描かれたアカンサスの葉や、絡み合う大きな葉で囲われた控えめなブルーベルは、春の森を彩るよう。

右の画像に見られるように、左右鏡写しのシンメトリックなデザインで、「(メインの花ではなく)第二の花」の名前をつけるという彼の伝統を引き継いでいます。1876年に描かれたデザインで、今回発売の3色の他に、素材や色使いなど表現が異なる既存色がございます。


画像左のカーテンは、Bower 227030
「バウワー」とは、庭や森の木々の下、日陰になる心地よい場所のことで、この高揚感溢れるデザインは、まさにそのもの。1877 年にモリスのパターンとして登録されたデザインで、生命力あふれる葉や花々が咲き誇るフローラル・ ワンダーランドを表現しています。ファブリックは右の画像のように4色展開、同柄の壁紙は3色展開です。


続いて、画像左のプリント生地は、Rose 227023
チューリップとバラの花が優雅に咲き誇る様と、ドラマチックな棘のある茎が重なり合ったデザインです。モリスは、このデザインに描かれている、雑木林の中で遊ぶ一対の楽しげな鳥のように、自然界の日常的なドラマをよく観察していました。1883 年にモリスが家具用生地としてデザインしたもので、エメリー・ウォーカー卿の邸宅の客室で広く使用されました。かつてアーカイヴコレクションに収録されていましたが、今回久し振りに再登場。ファブリックのみのアイテムで、イエロー系(227022)との、2色展開です。

画像右のプリント生地は、The Beauty of Life 227034
「The Beauty of Life」は、モリスが「文明が脅かされている、最新の危機に立ち向かえ」と熱烈に訴えた、1880年2月19日、バーミンガム芸術協会で行われた講演のタイトルです。この奮い起こすような叫びは、モリスの真髄であるスクロールする葉、美しい文字、遊び心のある野生動物のモチーフで装飾された豪華なインディゴカラーの生地に、永遠に刻まれます。モリスは、工業化された資本主義が「全人類から人生のあらゆる美を奪う」という脅威に立ち向かっていたのです。
こちらもアーカイヴコレクションに収録されていたデザイン。レタリングはウィリアム・モリス自身が発行していたケルムスコット・プレスの本からインスピレーションを受けています。ファブリックはこちらのインディゴ1色、同柄の壁紙は2色展開です。

左の画像の織り生地は、Flowers by May 237313
宝石のような魅惑的な色彩が、深い真夜中のようなインディゴカラーに映える草原の花々を、生き生きと描き出しています。ディテールの美しさが際立つこの生地は、もともとモリスの書斎に置かれていた17世紀の椅子の座面を飾っていたものです。モリス亡き後、次女のメイは「MM to EW」(May MorrisからEmery Walker へ)という献辞とともにカバー付きのクッションを作りました。「Flowers by May」には、世代を超えた友情が創造性を刺激するという物語があるのです。


こちらの画像の刺繍生地は、Daisy Embroidery 237310
鮮やかなマルチカラーが楽しい、1864年、モリス商会の初期の壁紙である「Daisy」の新しい刺繍バージョン。麻100% のベース生地に、厚みのあるステッチによるフローラルデザインが、手刺繍のようなクラフト感をもたらしています。


画像左のプリント生地は、Emery’s Willow
1874年に発表された「Willow(柳)」の背景に、遊び心あふれる泡のような形を配置しています。柳の木は、繊細に絡み合う枝と、わずかな風でも心地良くそよぐ葉を持ち、モリスが繰り返し使用したモチーフ。エメリー・ウォーカー卿の邸宅のダイニングルームに飾られていた、壁紙デザインが基になっています。画像の通り、3色展開のファブリックと、同柄の壁紙が4色のラインナップです。

画像右のプリント生地は、Borage
1883年、モリスによるデザイン。描かれている花は「ルリジサ」というハーブの一種で、蜂などの花粉を運ぶ者たちに好まれる植物。こちらは元々家具用生地として考案されたもので、精気溢れる花のパタ ーンと左右対称のデザインは、どんな家具にも生き生きとした視覚的な面白さをもたらします。エメリー・ウォーカー卿も、彼の邸宅の居間の家具用生地として使用しました。画像の通り、3色展開のファブリックと、同柄の壁紙が4色のラインナップです。


左の画像は、Bird Tapestry 237312
ペアの鳥が止まり、飛び立つ様子を交互に描いた穏やかで落ち着いたパターンです。こちらは、モリスが1878年に制作し、自身の邸宅”ケルムスコット・ハウス”の応接間に飾るために選んだタペストリーのデザインでした。美しく繊細に織り上げられたファブリックを、モリスに倣ってタペストリーのようにお部屋に掛け、モリスやウォーカー卿が生きた時代に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。

右の画像、中央の壁紙は、Bird 217194
前述のBird Tapestryのデザインが、今回初めて壁紙になりました。重厚なカラーから、フレッシュなカラーまで、お部屋に合わせてお選びいただける4色展開です。


Birdタペストリーと、 Kelmscott House のドローイングルームの様子( Emery Walker による撮影)*William Morris Societyアーカイヴ資料より


こちらの壁紙は、Rambling Rose 217206
森の散歩道やコテージのガーデンに咲くイングリッシュローズを描いたもの。バラを象徴する「愛」や「純粋さ」のイメージとは相反するかのように、蔓が巻き付き、ねじれ、棘のあるバラが、迷路のような構造で描かれています。バラは、モリスの壁紙には珍しいデザインで、タペストリーや詩の中に登場することが多いモチーフです。1877 年に発表されたデザインで、今回のコレクションにて久し振りの復活となりました。
東京ショールームのパネル展示でご覧いただける、こちらのカラーを含む3色展開、壁紙のみのアイテムです。


また、こちらの画像の壁紙、Wallflowerは、1890年にモリスによってデザインされたもので、アカンサスの葉の曲線に優しく描かれたウォールフラワーがバイタリティに満ちた力強い印象を与えています。濃い点描がサーフェスプリントのテクスチャー感を表現している一方、薄色の葉模様が彫刻のような奥行きを表しています。エメリー・ウォーカー卿の居間に掛けられていた壁紙にインスパイアされており、こちらも、今回のコレクションで久し振りの復活となりました。画像の3色展開、壁紙のみのアイテムです。

ご紹介してまいりました新しいコレクション『EMERY WALKER’S HOUSE』いかがでしたでしょうか。
収録のアイテムは、モリスが最初に確立した高い技術水準を維持するために、手仕事によるタッチ、最高水準の織物やプリントの品質担保など、あらゆる努力が払われ作り出されています。

愛に満ち、創造性溢れるものだったとされるモリスやモリスの家族とウォーカー卿の関係性が垣間見えるような、 これまでコレクションに加わることのなかったデザインや、再び表現されたモリスの名作が収録された「EMERY WALKER’S HOUSE」は、すべてのインテリア愛好家にフレッシュで新たな気づきを与えてくれる、 世界中のモリスファン待望のコレクションです。

美しいデザインに目を奪われ、背景にあるストーリーに思いを馳せる、奥深いモリスの世界をどうぞお楽しみください!
もっと詳しくお知りになりたい方は・・・

Emery Walker’s House HP
エメリー・ウォーカーズ・ハウスのホームページで、実際のお部屋の中の様子もご覧いただく事ができます。*一部画像をこちらからお借りしています。

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