New!!『Sanderson』&『HARLEQUIN』ディスプレイ
台風が心配な季節がまだ続きそうですが、一雨ごとに秋らしさが増し、朝晩は過ごしやすくなってきましたね。
さて今回は、東京ショールームのUKブランドコーナーを華やかに彩る『Sanderson(サンダーソン)』と『HARLEQUIN(ハーレクイン)』の新作ディスプレイをご紹介いたします。
画像の中央から右側がSanderson、左側がHARLEQUINの新作アイテムです。
英国王室御用達、160年を超える歴史を持つサンダーソンは、東洋の美術や文化からインスピレーションを得て、水の庭園をテーマにした「WATER GARDEN」コレクションを発表。
19世紀末から20世紀初め、多くの英国の邸宅に造園され、大流行したオリエンタルな雰囲気の池のある庭園。その永遠の美しさを、膨大なアーカイブ資料からの新たな発見にインスピレーションを得て表現しています。グラマラスな華やかさとともに、繊細なメタリックカラーと鮮やかな色彩が融合し、彼らの王道であるカントリースタイルの美学に現代的なひねりを加えています。
そして、ユニークでファッショナブルなデザインを、エネルギッシュなカラーで表現し楽しませてくれるハーレクインは、ロンドンにデザインスタジオを構えるアーティスト、ダイアン・ヒルとのコラボレーション、「HARLEQUIN×DIANE HILL」コレクションを発表。
彼女が生み出す中国古来のデザインへの愛情あふれる作品は、ロックダウン中にSNSを通して瞬く間に人気に。その作品がハーレクインのデザインチームの目に留まったことによりこのコラボレーションが実現しました。彼女のハンドペイントによるシノワズリ柄の美しい作品は、伝統的な様式にモダンなテイストを加え、個性的なスピリットを表現しています。
それでは、ディスプレイのアイテムをご紹介いたしましょう。
まずはサンダーソンから。
画像右側は、Pagoda River DVIPPA203。
1860年、サンダーソン社は壁紙の生産からスタートし、後の1921年にファブリックの生産を開始しています。このPagoda Riverは、1910年代、同社のファブリック部門の前身である「イートンルーラルコレクション」の中でも初期のデザインです。
当時のヨーロッパは、中国や日本の美術品が人気を博し、東洋の産物が初めて広く入手できるようになった頃。 とは言え今のように自由に情報を集められる手段がなかった時代に、遥々渡ってきた陶磁器の文様などから、遠い異国に思いを馳せていたのでしょうね。
よく見ると、版のズレや、インクの擦れといった風合いが見られますが、オリジナルの生地のプリント技法である、ロータリー・ブロック・プリントの特徴を表現したものです。
画像左側は、Chinoiserie Hall 237275。
数々の美しい壁紙をデザインしたことで知られる、ウィリアム・ターナーがデザインしたアーカイブの壁紙「Chinese Magpie」からインスピレーションを得たもの。今回の解釈では、微かに玉虫効果を出すよう光沢が美しいレーヨン糸で緻密に刺繍されたインコが春の花や清楚なつぼみに囲まれた繊細な枝にとまっているデザインとなっています。幾重にも色を重ねた刺繍糸のグラデーションによって生まれる立体感にもご注目ください。
続いてこちらも刺繍が美しい、Laburnum Falls 237272。
垂れ下がるキングサリ(黄花藤)が、強い暗色のベース地とのコントラストにより際立って見えます。 シルクのようなステッチと、黄色とピンクで縁取られた種子のさやが、アーカイブからインスピレーションを得たデザインに、ナチュラルなエレガンスをもたらしています。
画像右側の生地は、Emperor Peony 226960。
ロンドンの壁紙印刷会社Jeffrey社による1920年代のアーカイブデザインです。中国にインスピレーションを受けた装飾スタイルで、大きな牡丹と熱帯の蝶があしらわれています。
1836年創業のJeffrey社の作品は、今回のコレクションの中でも際立つ存在です。当時、様式化された特大の花首が、茎にもたれ掛かるように優雅に巻きつくパターンが特徴的でした。
画像左側の壁紙は、Bamboo & Birds 217129。
アーカイブの壁紙からインスピレーションを受け、手作業でブロックプリントされたような質感を表現しています。日本からの影響を受けたデザインで、竹が縞模様となり、ハイビスカス、アジサイが全体に施され、エキゾチックな鳥がとまっている背景には、藤の花などが絡まるように咲いています。直線的な竹のラインと、それとは対照的な生き生きと動きのある鳥たちの描写に、静と動を感じます。
そして、左側の画像のクッションは、Pagoda River DVIPPA202。
先にご紹介したカーテンの色違いです。川辺で網を仕掛けたり魚釣りをする人、煙草をくゆらす人、楽器を奏でる人。どこを切り取っても絵になるこのデザインを、額縁に入れて飾るようにフレームを付けて仕立ててみました。(フレーム・裏面:バンプ749を使用)
右側の画像のクッションは、Bonsai & Gingko 237276。
サンダーソンのスタジオでデザインされた、緯糸にディテールを持つジャガード織りで、とても手触りの良い柔らかなコットンベルベット。 Gingko=イチョウの意味。イチョウと盆栽の「森」が、見事な枝振りで表現されています。
続いてハーレクインをご紹介しましょう。
ハーレクインと共に今回のコレクションを手掛けた、ダイアン・ヒルはこんな想いを語っています。
シノワズリはとても美しく高尚な芸術であり、長い間もっと身近なものにしたいと願ってきたこと。
今回のコラボレーションは、とてもエネルギッシュな高揚感を与えてくれるように感じていること。
色やスタイルの限界に挑戦し「今までにないシノワズリを作る」という意気込みで。
また、ハーレクインが掲げる「個性」を讃える「#OWNTHEROOM」というの理念の一環として、
個性的な道を切り開いた先駆者でパワフルな女性の名を冠した、アイテム名にもご注目を。
画像右側の壁紙は、Lady Alford 112901。
竹の茎にアネモネの花を絡ませたクラシックなデザインは、18 世紀に女性の着替え室や寝室に使われたシルクの壁掛けに由来しています。
画像左側の生地は、同柄のLady Alford 121100。
こちらは、陶磁器を思わせるような白地にブルーの濃淡で表現されています。
続いてこちらのセミシアー生地は、Emmeline 121114。
参政権運動家エメリン・パンクハーストにちなんで名付けられており、韓国の蝶の芸術からインスピレーションを得た、自由奔放で素敵なデザインです。広々とした大地にはばたく繊細な羽を、緻密なディテールでリアルに表現しています。やわらかく光を通す透け感で、風に揺れるたび、優雅に蝶が舞うように見える絶妙な配置で描かれています。
さらに、左側の画像の生地は、Marsha 121108。
LGBTQ運動に影響を与えたマーシャ・P・ジョンソンの名を冠したもの。明るく。大胆であれ。あなたらしく。 このひと際大きいサイズ感の色彩溢れる様は、ポピーと牡丹の巨大な花束にインスパイアされたものです。こちらは豪華なコットンベルベットで、椅子張地としてもお使いいただけます。また、カーテンには素材違いでエレガントなコットンサテンもお選びいただけます。
右側の画像の生地は、Marie 121116。
フェミニンで浮遊感のある、ダイアンの植物画への愛情が感じられる、ソフトで優しいデザインです。キュリー夫人にちなんで名づけられたこの作品は、ジューシーな洋ナシとつる性の植物、そして繊細な花々がアクセントとなり、英国的な雰囲気を醸し出しています。
同じ「シノワズリー」がテーマでありながら、異なるテイストで表現された2つのブランドからのコレクション。皆さまはどちらがお好みでしょうか。
ハーレクインの理念を引用すると「最高のインテリアとは、私たち自身を反映したときに生まれる」と!
堂々と、気負わずに。
あなたらしいスタイルで、エキゾチックなシノワズリのデザインをお楽しみください。
☆東京ショールームのInstagramアカウントでもご紹介しています。
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