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New!!『Temperley London×ROMO』の世界へようこそ!

2023.10.07 / tokyo

長かった暑さもようやくひと段落し、秋の気配が感じられるようになってきました。

さて今回は、1902年の創業以来、伝統とモダンが両立するイギリスならではのデザインスタイルを確立し、豊かなカラーバリエーションと多彩なデザインで人気を集めるROMO(ロモ)と、イギリスのファッションデザイナー、Alice Temperley MBEによるファッションブランド、Temperley London(テンパリー・ロンドン)とのコラボレートコレクションをご紹介します。

皆様は、Temperley Londonをご存知でしょうか。まずはブランド創設者、そして経営者である、デザイナーのアリス・テンパリーについてご紹介しましょう。


Alice Temperley
1975年生まれ。
イングランド南西部のサマセットで育ち、ロンドンにあるセントラル・セント・マーチンズと、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業。その翌年の2000年に自身のブランドを設立し、ラグジュアリーな素材と丁寧な手仕上げで注目を浴びる。グラマラスでエレガントなドレスは、キャサリン妃ご愛用のほか、マドンナ、ビヨンセ、ペネロペ・クルスなどハリウッドセレブの御用達に。
受賞歴も多く、2004 年に Elle 誌の Best Young Designer of the Year Award、2006 年にはイギリスの女性ビジネスリーダートップ 35 に選ばれ、2011年にはハリウッドスタイル賞でDesigner of the Yearを受賞。
また、ファッション業界への貢献が認められ、2011年の新年の叙勲で MBE* に任命された。
ボヘミアンな美学と快活な性格で知られるアリスは、今やアイコニックなブランド・アイデンティティを確立した、強い女性の力を持っている。

*MBE=The Most Excellent Order of the British Empire (大英帝国勲章)は、イギリスの騎士道勲章で、芸術や科学への貢献、慈善団体や福祉団体での活動、公務員以外の公共サービスへの貢献に報いるものである。

ファッションとインテリアの世界で活躍する、2つのキュレーターが今回のコレクションのために結ぶ、このユニークなパートナーシップは、Alice Temperley MBEと、ROMOグループのデザイン&エクセレンス・ディレクターのEmily Mouldが、Temperleyのデザインアーカイブを掘り下げ、極上のファッションピースをインテリアの傑作に変身させるという、2人のクリエイティブマインドが出会うものとなりました。コレクションは以下のようなラインナップです。

LAVINIA』贅沢なサテンプリントと優雅な刺繍生地
TALULAH』椅子張りに最適な遊び心あふれる織り生地
FRIEDA』豊かな表情と重厚なカラーパレットの無地ベルベット
TEMPERLEY LONDON X ROMO TRIMMINGS』色、質感、装飾に満ち溢れるトリミング
LAVINIA WALLCOVERINGS』高揚感をもたらし、周囲を魅了する壁紙

Journey down a rabbit hole to a mystical land of maximalism where the only limit is your imagination.
マキシマリズムの神秘的な国へ旅に出よう。あなたの想像力次第で、限界が決まります。

アリスの不思議の国を垣間見るような新しいコレクションは、幻想的な物語を語り、皆さまを魔法のような発見の旅に誘います。それでは、ディスプレイアイテムを中心にご紹介していきましょう。


こちらが、東京ショールーム、UKコーナーの新しいディスプレイです!

左画像のドレープは、Bonita 8004-02
優雅なコットンサテン地に、エレガントな花々の渦が咲き誇り、ディテールや色彩が生かされた魅惑的なデザインのショーが展開されています。 TemperleyらしいプリントであるBonitaは、ロマンティックな雰囲気をもつ美しいチュールガウンに鮮やかな刺繍を施したデザインで、これはTemperleyのアーカイブに数多く登場しているものです。 
この精緻な刺繍は、もともと Folk Art(郷土芸術・民芸)からインスピレーションを得たもので、この色鮮やかな芸術表現によく見られる「鏡」に映したような効果を再現するデザインです。
Bonitaは、この優雅なデザインのエッセンスを保ちながら、刺繍の細かいステッチと布に映る花々がミラーデザインとなっている複雑なプリントを施しています。※同柄の壁紙もございます。

合わせたシアーは、イギリスのハーレクインより、ドットのアップリケが揺らめく、個性的なデザインのYoko131467です。

また、右の画像のバリエーションは、右側(pink)がコットンサテンプリントの色違いBonita 8004-03、左側(black)はソフトで深いパイルのプリントベルベットBonita Velvet 8008-01
そして左上にコーディネートされているのは、艶やかなレオパード柄のSaskia Reversible 8012-04です。サテンとタフタのリッチ感溢れるコンビネーションが、シルクのような質感と色の動きを与え、デザインを魅力的なものにしています。(※リヴァーシブル仕様のため、裏面は柄とベースの色が反転)

Temperleyでは良く知られていることですが、レオパード柄はブランドの魂とも言えるもので、どのデザインともマッチする”ニュートラルなもの”として扱われ、繰り返し登場します。このコレクションの中でも重要なコーディネートアイテムのひとつなのです。(サンプルブックの表紙もすべてレオパード柄!)


そして壁紙と相性の良い色合いで合わせた、ディスプレイ左側のカーテンは、ドレープがオズボーン&リトルのMeru F7801-08こちらのブログで詳しくご紹介しています)、シアーは、国内在庫のオリジナルコレクション「SATELLITE|CLUB」より、オーリオ4です。光沢感とテクスチャー感がラグジュアリーでグラマラスな雰囲気をプラスしています。


続いて空間を華やかに彩るTemperleyのクッションをご紹介していきます。

左画像、手前のクッションの生地は、Lavinia 8011-01
(50㎝×50㎝ 既成クッション:Lavinia RC764-01
光沢のあるレオパード柄のジャカードに、細かな花の刺繍を施し、クラシックとコンテンポラリーを融合させた美しいスタイル。”遊び心”と”洗練”を兼ね備えたこのデザインは、刺繍のトーンのグラデーションが花のひとつひとつに生命を吹き込み、思いがけないポップな色彩がそれぞれの花を際立たせています。
と言うのも、Alice Temperleyの曾祖母は美を追求するmagpie(カササギ/収集癖のある人のこと)で、異国を旅しては装飾的な布地を集めていたそうです。その中のひとつ、1920年代の中国のシルクのショールこそが、この絶妙なデザインのインスピレーションの源なのです。ユニークな家宝の刺繍のエレガンスが、現代のTemperley の必須アイテムであるレオパード柄と組み合わされ、生まれ変わりました。 ※同柄の壁紙もございます。

左画像、奥のクッションの生地は、Euphoria 8005-01
(50㎝×50㎝/既成クッション:Euphoria RC758-01
シノワズリにインスパイアされた世界観の中で、日傘をさすヒョウや、いたずら好きなサルがスウィングする様子を描いた物語が展開される、うっとりするような美しいプリントです。 EUPHORIAは、遊び心あふれる”理想郷”。現実から解き放ち、創造性を自由に発揮できる新たなワンダーランドへの探検へと、私たちを誘ってくれます。Temperleyのアーカイブにあるエレガントなサテンドレスにインスパイアされたこのコットンサテンプリントは、オリジナルの手描きアートワークの複雑なディテールや微妙なニュアンス、そして美しい色の抑揚が表現されています。 ※同柄の壁紙もございます。

右の画像のバリエーションは、左側(pink)がコットンサテンプリントの色違いEuphoria 8005-02、右側(black)が、プリントベルベットのEuphoria Velvet 8009-01です。


続いて左画像、左奥のクッション生地はLulu 7999-03
(50㎝×50㎝/既成クッション:Lulu RC773-03
ソフトな風合いのウールブークレに、きらめくメタリック糸が顔を覗かせ、レオパード柄が躍動感を表現している総柄のデザインです。 縁を飾るボリューム感のあるフリンジは、Brush Fringe T120-06。11色の豊かな色展開です。今回のコレクションはトリミングのラインナップも充実しており、右画像のようなBOXに納められています。蓋を開けると大変美しいトリムやフリンジの数々が揃い、まるでジュエリーボックスのよう!ぜひショールームでご覧になってみてください。

そして左画像、手前の円形クッションの生地は、Saskia Reversible 8012-05
(直径40㎝・高さ7㎝/既成クッション:Saskia RC767-02
中央のボタン締めとギャザーがエレガントな、レオパード柄のクッションです。

クッションはお好みのファブリックでサイズやスタイルを決めてのオーダーメイドも可能ですし、今回ご紹介したような既成アイテムも豊富に揃っていますので、ぜひチェックしてみてください。

最後に壁紙をご紹介します。

画像左はFantasia W449-03。(画像右はカラーバリエーション)
古代のメノウの魔法のような深みからインスピレーションを得たこのデザインは、宝石が散りばめられた化石の、繊細で多面的な層をTemperleyが解釈したもの。サイケデリックでありながらも洗練された雰囲気を醸し出しており、メタリックな輝きがさらに目を引きます。
Temperleyのアーカイブにある、エスプリの効いたドレスのデザインを、オリジナルに忠実に再現した贅沢な壁紙です。※同柄の生地もございます。


続いてこちらは壁紙コーナーに展示中のLolana W452-02。(画像右はカラーバリエーション)
蝶の羽の美しさを表現した印象的な壁紙です。隠れたディテールや経年変化したメタリック の輝きで、デザインに命を吹き込んでおり、複雑なプリントによる微妙なテクスチャーが、さらに魅力を与えています。蝶の羽ばたきに魅了されて生まれたこのデザインは、もともとTemperleyが蝶の羽に見られる大胆な色とユニークなマークを模倣し、流れるようなイブニングドレスとして制作したものです。 ※同柄の生地もございます。

ご紹介してまいりました今回のコレクション、いかがでしたでしょうか。
I hope that people feel like they have a piece of treasure when they invest in designs from this beautiful collection.「この美しいコレクションのデザインに投資することで、宝物を手に入れたような気分になってもらえたらうれしいです。」
Alice Temperley MBEからのメッセージです。パーティーシーンのファッションを楽しむように、お部屋をドレスアップしてみませんか?

☆東京ショールームのInstagramアカウントでもご紹介しています。
 こちらも是非ご覧ください!

☆ROMO本国サイトに、Alice Temperleyの自邸にて撮影されたイメージムービーが公開されています。
 こちらよりコレクション世界観をぜひご覧ください!

New!!『JIM THOMPSON』&『No.9 THOMPSON』ディスプレイ

2023.08.31 / tokyo

暦の上ではすでに秋、とは言えまだまだ厳しい暑さが続きそうですね。皆さま楽しい夏を過ごされましたでしょうか。

さて今回は、1948年、アメリカ人のジム・トンプソンにより創設され、上質なタイシルクのメーカーとしてその名を世界に知られるJIM THOMPSON(ジム・トンプソン)と、そのカジュアルラインであり、イギリス人デザイナー、リチャード・スミスのアートワークによって生み出されるNo.9 THOMPSON(ナンバーナイン・トンプソン)によるディスプレイをご紹介いたします。

こちらが東京ショールームの新しいエントランスディスプレイです!

 

向かって右側がジム・トンプソン、左側がナンバーナイン・トンプソンで構成されています。

まずは、右側のジム・トンプソンからご紹介しましょう。
新作『PARAISO』は、手織りのシルク・イカットから豪華なベルベットまで、洗練されたテキスタイルのコレクションです。インスピレーションの源は、タイの伝統とのどかな島の暮らしの鮮やかな色や柄から。植物や葉、エキゾチックなモチーフやサロン(東南アジアの民族衣装で、筒状の胴衣)のボーダー柄を、現代的で抽象的なテクスチャーとミックスしています。熱帯地方から取り入れた鮮やかな色彩と、シルク、リネン、コットンの天然素材で織られた椅子張り生地とカーテン生地は、様々なデザインでありながら、カラーパレットが決まっているので組合わせしやすく、お部屋のトータルコーディネートに最適です。


メインのカーテンは、上部に壮大なスケールで大らかに描かれた植物柄、下部に落ち着いた無地を合わせ、境界線にトリムをあしらった、切り返しスタイルです。

上部の生地は、Cassia JT013869003
カシアとは、東南アジア原産の花木で、タイの国木となっている品種もあります。 右画像のように、沢山の花を咲かせる縁起の良い木として知られ、夏の空の色と対照的な黄色い花は家を明るく見せ名誉をもたらすと信じられているそうです。水彩で描かれたこのボタニカルプリントは、カシアの枝に花が咲き、そこに椰子の葉が混ざる、まるで風景画のような開放的な空間が表現されています。リネンの柔らかな風合いとドラマチックなレイアウトは、ぜひ床までの丈のカーテンでお楽しみいただきたいデザインです。 

下部の生地は、Nala JT013855013
ナラとは、サンスクリット語の「葦」に由来し、亜麻繊維の草のような性質を表しています。最高級のリネン糸をマーセライズド・コットン(毛羽立ちを抑えて、シルクのような光沢を出す加工を施した綿素材)と交織することで、手織りのシルクを彷彿とさせる、玉虫色に輝くファブリックに仕上げられています。26色の豊富なカラーパレットには、ソフトなニュートラル・ナチュラル色から大胆な色合いまで含まれ、カーテン、クッション、こちらの切り返しスタイルのような装飾アクセントにと、幅広くお使いいただけます。

そして生地の境界線にあしらったトリムは、Ikat Diamonds Tape JT030061008
2.2㎝幅と細めながら、メタリック糸が上品に輝き、クラシカルな雰囲気をプラスしています。


続いてコーディネートしたクッションをご紹介いたします。

手前:Khemarin JT013664012 / 3664-12
かつてジム・トンプソンがタイシルクに魅了された頃のものに近い雰囲気を残す、代表的なシルク生地のひとつで、現在も手織りで生産されてます。滑らかで細い糸をタテ糸に、スラブ感のある糸をヨコ方向に使用することで、かすれたような素朴な風合いがありながらも、100%シルクならではの美しい光沢のある生地です。

奥:Betwixt JT013727006
カットベルベットとループエピングレの対照的なリブによって表現されたピンストライプ生地です。カーテンに合わせた、深みのあるミッドナイトブルーの重厚感あるベルベットが、空間に洗練されたクラシック感を添えています。

続いて、ディスプレイ向かって左側の、ナンバーナイン・トンプソンのご紹介をいたします。
新作のメインコレクションは『FOLKLORE』。自然界の喜びと森の神秘性を、No.9のデザイナー、リチャード・スミスの目を通して表現した、プリントと刺繍のエキサイティングなファブリック・コレクションです。
この”フォークロア”というテーマは今期サンダーソンやオズボーン&リトルなどでも取り上げられており、自然をモチーフとし、民族的で手作りの温かみを感じさせるような注目のスタイルのひとつです。


こちらは、Flora N9012349001
一本の糸を複数の色で染色した”スペースダイ”の糸を使用して、クラシックな花柄を表現した刺繍生地です。 ステッチの中の様々な色彩が、グラデーションとなって、奥行き感と複雑な細部のある印象を与えています。


こちらは、Shintangle N9012353001
グラフィカルなシダの葉を、アーチ状に並べた大きなトレリスは、美しく開放感があります。葉の一枚一枚をよく見るとストライプやドットなど、意外な要素で構成されていますが、林床部(森の最下部、地面と接しているところ)の美しさと動きを見事に表現しています。…シダ植物の葉の裏側を思い浮かべてみてください。本当にこんな感じですよね!


コーディネートしたクッション生地は、こちらも新作コレクション『CABIN WEAVES』より選定しています。ファッションやホームテキスタイルに使われる伝統的な手仕事の技法にインスパイアされた、ワクワクするような質感のある織生地コレクションです。

手前:Cabin Stripe N9012340002
ティッキングをモチーフにした、美しくクラシカルでタイトに織られたストライプ生地です。 対照的なアクセントカラーが効果的。背景のシダの葉のカラーとピッタリですね。横長のピロースタイルで、両脇はそれぞれ2つのウッドのボタンで留めています。

奥:Shirring N9012337005
名前の通り、布を細かく縫い縮めて衣服に装飾的なギャザーをつける「シャーリング」から着想を得ています。様々な糸を立体的に組み合わせて再構築し、ハンドメイドのテキスタイルのような効果を持たせています。


最後に壁紙をご紹介します。
中央の壁紙は、劇場の背景から着想を得たドラマチックなパネル柄が揃うナンバーナイン・トンプソンの『TAKES THE STAGE』コレクション(2019SS)に収録の、Palm Court Panel N9021032002です。窓の外にヤシの木が生い茂る様子が描かれ、とても奥行きが感じられます。そしてその周囲には、付け柱やモールディングなどの装飾が描かれている、だまし絵のようなユニークなデザインです。


上の画像のようにDrop AとDrop Bの2枚で1セットとなります。高さはトータルで315cmあり、右端に細かく寸法の表記がありますので、天井高に合わせて、お好きな部分を貼ることができます。(※今回ショールームでは、赤いラインから上を使用しています。)


また、画像左のようにヤシの木のデザインがない壁面部分のみのパターン Palm Court N9021031002 もありますので、画像右のように組み合せてお使いいただくことも可能です。

今回は、ジム・トンプソンの2つのグループブランドを、ミックスしたディスプレイをご紹介いたしました。いずれも植物をモチーフとした、オリエンタルな雰囲気でありながら、ジム・トンプソンはクラシカルな設えで、ナンバーナイン・トンプソンは、明るくこなれ感のあるイメージで。お好みのスタイルをぜひお楽しみください。

New!!『RUBELLI』ディスプレイ

2023.07.31 / tokyo

関東も梅雨が明け、いよいよ夏本番となりました。
今年は、久しぶりに夏満喫の楽しいプランを立てている方も多いのではないでしょうか。

さて、今回はイタリアのラグジュアリーブランドRUBELLI(ルベリ)をご紹介いたします。

1889年ヴェネチアに創設された『RUBELLI』。世界トップレベルの自社工場を保有、デザインから生産、販売まで一貫した体制で行っており、生み出される最高級ファブリックの創造の源は、ルネッサンス期まで遡ります。クラシックを追求しつつも、現代的なスタイルにアレンジされたファブリックは、世界各国の著名なホテルや、歴史的にも重要な建築物に、数多く取り入れられています。

2023SSコレクションは、”ヴェネチアの断片”を意味する、『FRAMMENTI VENEZIANI』。ルベリは”断片”のみが残る古いテキスタイルを保存する歴史資料館を所有しています。貴重な金箔置きの技、柔らかなベルベット、ガラスの反射、ヴェネツィアの偉大な巨匠の色、水の動き、時を経た古色、調和のとれたコントラスト…
これらは多くの場合が”断片”でしかないけれども、貴重で意味のあるもの。そういった、ヴェネチアを象徴するような”断片”からインスピレーションを得たデザインを、一つ一つ大切に集めたような、コレクションです。

それでは、東京ショールーム、ルベリコーナーに仲間入りしたディスプレイからご紹介しましょう。


こちらはリバーシブルの間仕切りカーテンです。
左の画像は、Veniceland 30608-01。右上の画像でご覧いただけるように、上部はハトメスタイルになっています。
このコットンサテンプリントは、メキシコ人デザイナー、ガブリエル・パチェコの”光”とインスピレーションに満ちた手から生まれたものです。
ゴンドラ、ブリコール (干潮時や霧の日でも、船が安全に航行できる場所を示す、運河の目印となるもの、またはゴンドラ等を係留するためのポール)、仮面 、橋、典型的なヴェネチア建築、ムラーノガラス、そして何よりも、運河の街のパワーの象徴である翼のあるライオンなど、ヴェネチアを象徴するすべてのものが含まれており、コレクションの名の通り”ヴェネチアの断片”がコラージュされたようなデザインです。

パチェコの巧みなタッチで、まるで劇場のように、それぞれのテーマがそれぞれの役割を担っており、現実と幻想、現在と夢の中間にある舞台で、魅惑的なシーンが連続している様を見ることができます。小さなモチーフ、エレガントなグラフィック、時には珍しい、不思議なミクロのパターンなど、細部まで目を凝らしてご覧ください。Venicelandは、このユニークな都市をブルーの濃淡で表現したユニークなシーンの数々で、私たちを万華鏡のような ヴェニス・ツアーに連れて行ってくれます。名前にも皮肉が込められているようです。(夢の国、○○ランドならぬ、ヴェニスランド?!)

この独特な世界観と、登場人物のどこかアンニュイな表情に見覚えのある方もいらっしゃるでしょうか。パチェコは以前にもルベリのために、強い刺激と色彩のインパクトを持つプリント生地を、2点制作しています。
2021SSコレクションの、 Il Marchese di Carabà 30410です。
17世紀の詩人シャルル・ペローの童話「長靴をはいた猫」のファンタジーの世界をモチーフにしたもので、Bonjour版(30410-01)では太陽の温かい光の中で、Bonne Nuit版(30410-02)では銀色に輝く月の光の中で、童話の中のキャラクター達が、浮かぶように描かれています。こちらもぜひ、チェックしてみてください。*インスタグラムでのご紹介記事はこちらからどうぞ!

そして、右下の画像は、この間仕切りカーテンの反対側の面となる、Silkglass 30600-04です。
歴史資料館に収蔵されている、異なる時代(17世紀と18世紀)のダマスクの”テッセラ”を組み合わせたものです。テッセラとは、モザイクを作る際に使用されるはめ石またはガラスの小片のこと。小さな”断片”をつなぎ合わせることで、Silkglassの名の通り、吹きガラスのようにエレガントで色彩豊かな、新しいシルクのようなパターンが生まれます。特殊な糸と特殊な加工により、ムラーノ島のガラス工芸品、特にヴェネチアの建築家でありデザイナーでもあった、カルロ・スカルパの、芸術的なガラス作品に見られる、玉虫色や、ほとんど形が無いかのような透明感を思い起こさせる「ガラス質」のような生地です。

ここで、カルロ・スカルパについてご紹介しておきましょう。

CARLO SCARPA(1906-1978)
ヴェネチア生まれのイタリア人建築家。
彼の建築は、素材への感性豊かな想像力に基づいており、季節や歴史といった時の移ろいを繊細に表現している。歴史、地域主義、発明、芸術家や職人の技術への関心を独創的なガラスや家具のデザインへと変換し、安藤忠雄やマリオ・ボッタといった建築家にまで、幅広く賞賛されている。展覧会の会場構成や既存の建物の改修などを多く手掛け、また日本建築の愛好家だったことでも知られる。

今回のコレクションには、他にもスカルパに因んだデザインがありますので、いくつかご紹介しましょう。


画像左は、Jupiter 30616-04
カルロ・スカルパが建築作品に使用した素材、天然石やスタッコの質感を想起させるコンテンポラリーなジャカード生地。5色展開で、ラグーンの水面に映る昼光や月光をイメージしたバージョンもあります。さまざまな色彩効果を生み出すため、ニュートラルカラー、ライトカラー、ダークカラーがシンフォニーを奏でるように、数多くの異なる糸が使用されています。

そして画像右は、Moon Promenade 30617-03
7色展開の質感のあるジャカード生地。純粋なテキスタイルの創造性を表現したもので、7種類もの異なるヨコ糸が使用されています。 ベース部の片鱗を残しながら”レリーフ”( 浮き彫り )状になるブークレをテーマにした結果、月の表面や、カルロ・スカルパが 1960 年代に建築に使用した素材を彷彿とさせる不規則な表面となりました。また、この1960年代と言えば、月面着陸と最初のムーンウォークが行われた時代であることが、生地名の由来です。 

Jupiter、Moon Promenadeのいずれも、タテ糸には、ルベリが数年前から使用している、ヒマの種子から得られるエコ・サスティナブルな糸、Evo(エボ)ナイロン*を使用しています。 

*Evo ナイロンNexusNeptuneなどにも使用されています)
植物のヒマ(別名:トウゴマ)の種子である、ヒマシ(蓖麻子) から作られた天然由来のナイロン。ヒマは育てるのに手がかからず水や肥料も少なくて済み、他の食用の植物と競合することがない。 また加工するのに使うエネルギーも石油由来のものより少なく、環境にやさしい素材。


続いてこちらは、King 30606-06
ムラーノガラスに金箔を貼ったような質感のある、ゴールドの表面が特徴的な 、リュクスなランパス織り。ガラスとゴールドの組み合わせは、右側の画像にあるような、カルロ・スカルパが金箔を使って制作した「ソンメルソガラス*」を参考にしています。シルクと並んで主役のゴールドが、全10色それぞれの色の反射を受け、これまでにない鮮やかな光の効果を生み出しています。この2つのメタリックテクスチャーの特徴である”レリーフ効果”が、ラグジュアリー感を際立たせています。常に装飾性を高め、高貴な雰囲気を醸し出してきたメタリック糸を使うことで、ファッションを超え、常にモダンなタッチのグラマラス感を与えています。リバーシブル仕様のため、左上の画像に見られるように、表面と裏面で表情が異なり、お好みに合わせお選びいただけます。

*ソンメルソ技法
1930年代にヴェニーニ社のカルロ・スカルパによって開発されたもの。ソンメルソ(イタリア語で「水没」)は、色が混じり合うことなく、対照的なガラスの層を2つ以上作るムラーノ島のガラス製造技術。色ガラスを別の色の溶けたガラスに浸し、必要な形に吹き込むことで形成される。最も外側の層は透明であることが多い。

さてここで再び、ディスプレイのご紹介に戻ります。

左上の画像のドレープ生地は、Charme 30604-05
シルクのような風合いを持つダマスク。歴史資料館にあるルネサンス期のベルベットの断片のパッチワークから着想を得て、特殊な織り方によって摩耗したような模様を再現しています。15色展開という豊富なカラーバリエーションも魅力です。

同じく左上の画像のシアー生地は、Improvisation 30627-03
フィル・クーペ技法*で作られた(ムリーヌ*のような)透明な ベース 地の上に、不規則で多彩なクロスハッチングが浮き出た、質感のあるシアー。4つのカラーバージョンにおいて、クロスハッチングはストローク自体の色によって変化しています 。 まるでジャズの曲のように、 クリエイティブな即興(=Improvisation)から生まれたような、明るく現代的なモチーフ。

フィル・クーペ
パターンを織り上げ、裏面の横糸を丁寧にカット。 フランス語で、 Fil は 「 糸 」 、Coupe は 「 切断された 」 、 「 裁断 」 の意味で、ジャカード織物の裏面に出るヨコ糸をカットし、フリンジ効果を出す。

Murrine ムリーヌ(単数形:Murrina)
ガラスの棒に描かれた色彩の模様やイメージのことで、棒を薄く切断することで模様が浮かび上がる。これを何本も組み合わせて使うと「ミルフィオリ」と呼ばれる。 製造は 4000 年以上前に中東で始まり、16世紀初頭にムラーノ島のヴェネチアン・ガラスの職人によって復活した。

そして、左下の画像は、Jam Session 30629-01
モダンなレースのデザインに沿って、途切れ途切れに浮かぶようなマットなラインが現れる、デコラティブなシアー生地。ヴェネチアのラグーンの水面に映る、光の反射からインスピレーションを得ています。

また、こちらの3アイテムは、いずれも防炎品のため、高層マンションやコントラクトユースも可能、うちシアーの2アイテムは、広巾でタテ使い推奨生地のため、吹き抜けや高窓にもお使いいただけます。

続いて、華やかなデザインからも幾つかご紹介しましょう。


こちらのコットンプリント生地は、Sally 30609-01
”コンテンポラリーアーティストによる作品から新しいフラワープリントを作る”というアイデアから生まれました。そこで、イギリス人画家のSally Anne Fitter(画像右)がルベリのために描いた花瓶の絵が選ばれました。彼女は、ロンドンにテキスタイル・デザイン・スタジオを構え、ラルフローレンやリバティのデザインも手掛けています。横畝のある”コットンファイユ”に描かれたこのデザインは、バラの花瓶が 「 ソリッドとヴォイド 」(構成要素(=柄の部分)と何もない空間)の交互配列で、とりわけエレガントなパターンで配置されています。
3色展開の、華やかで楽しいパターンです。
花瓶のデザインがコラージュで構成されているように見え、コレクションのテーマとマッチしています。彼女のアートを飾るように、お部屋に掛けて楽しんでみてはいかがでしょうか。


画像左は、Grand Amour 30602-01
アーカイブテキスタイルコレクションの小さな断片から生まれたシルク混のジャカード生地です。ユニークな点は、オリジナルの小さな花のモチーフを非常に大きなスケールに拡大したという、前例のないリメイクであるということ。エレガントで緻密に織られたサテン地に、バラとカーネーションが際立ち、セミマットなビスコース地に施されたシルエットのような模様によってさらに引き立てられています。ショッキングピンクの奔放な色調を、落ち着いたアイボリーが和らげているのです。

画像右は、Secret Venus 30605-02
私たち日本人にとって、どこか懐かしさを感じるような雰囲気がありませんか?それもそのはず、ルベリのアーカイブに保管されている1930年代の日本の絹の着物から着想を得た、サテン地に絹のランパスで、小さな凹凸を含む典型的な絞り技法の表情が残されています。1930年代のヴェネチアン・ガラス工房の芸術的な作品を彷彿とさせる形の花瓶のギャラリーを表現しています 。 6色展開で構成される斬新な柄で、いずれも明るいベース地に描かれています。

最後に、椅子張地としてもおすすめのアイテムをご紹介します。


画像左は、Dandy 30613-18
ストライプのベルベット。コーデュロイ・ベルベットを新しい解釈で表現したものです。その名の通り、常に最新のカジュアル・エレガンスを提供します。 力強くマットな質感は、1970 年代に流行したデザインを踏襲したもの。従来のストライプ・ベルベットとの差別化を図り、コンテンポラリーな椅子張りに最適な「ヤング」ベルベットとして提案しています。また、機能性としては防汚加工が施されています。

画像右は、Zelda 30620-14
テクニカルな「フェイク・ユニ*」に光のタッチを加えました。 既存アイテムのコンテンポラリーなツイード生地、Fabthirtyの、よりリッチな「兄弟」のようなものです。光沢と艶が交互に現れる表面の微細な模様は、織物の加工から生まれたものです。椅子張りにも適し、38色展開という充実したカラーバリエーションで、マルチに活躍するマストアイテムです。

フェイク・ユニ Faux uni
単色のように見える柄物で、色は控えめに合わせたり、同系色や異系色の小さな微妙なモチーフで柄を表現する。フランス語の “faux uni”(偽の統一感)に由来する。

ご紹介してまいりましたコレクション『FRAMMENTI VENEZIANI』いかがでしたでしょうか。
ルベリが本拠地を構えるヴェネチアの美しさや歴史に培われた誇りを、彼らが持つデザイン力や高度な生産技術を駆使して、余すところなく表現したアイテムが揃います。

暑さの厳しい季節、水の都ヴェネチアの水面を吹き抜ける風を想い浮かべながら、是非お楽しみください。

New!!『MORRIS&CO.×EMERY WALKER’S HOUSE』ディスプレイ

2023.07.04 / tokyo

紫陽花が雨に濡れて色鮮やかに見えるのも、雨の季節ならではの風情ではありますが、まるで梅雨明けしたかのような日差しの強い日も多く、そう遠くはない夏の気配を感じます。

さて今回は、弊社がお取り扱いしている数あるブランドの中でも、大変人気の高い『ウィリアム・モリス』の新しいコレクション『EMERY WALKER’S HOUSE』をご紹介いたします。


英国の思想家、詩人であり近代デザイン史上に大きな影響を与えたウィリアム・モリス。自然の樹木や草花などをモチーフにしたデザインは160余年を経た今日でも少しも新鮮さを失わず、世界中で根強いファンに愛され続けています。

モリスが生涯のうちに残した、多岐に渡る功績の中のひとつ、ケルムスコット・プレス社の設立をご存知でしょうか。彼は、活字のデザインに熱中し、自らのデザインにより美しく装飾された、手工芸による出版物を手掛けました。その折に、ビジネスパートナーとして協力した人物こそが、エメリー・ウォーカー卿でした。

Emery Walker
エメリー・ウォーカー卿は、彫刻家、写真家、印刷工として、アーツ・アンド・クラフツ運動の中心であった様々な組織団体において積極的に役割を担っていた人物。専門的なタイポグラファーとしての知識により、ウィリアム・モリスのケルムスコット・プレスをサポート。モリスのロンドンの住まい”ケルムスコット・ハウス”のほど近くに居を構え、毎日のようにお互いを行き来するほど親交を深め、美術工芸展協会などモリスが携わっていた団体をサポートしていました。 友情の証として彼の邸宅”ハマースミス・テラス7番地”には、モリス商会の家具など多くのモリスデザインが使われており、彼の一人娘ドロシーやその友人エリザベス、また1999年からはエメリー・ウォーカー・ハウス財団の努力により、驚くほど良い状態で保存されています。

すべてにおいて先駆者的な存在のデザイナーだったモリスにとって、 隣人であり友人、協力者、そして良き理解者であったエメリー・ウォーカー卿。今回のコレクションは、モリスのオリジナルデザインがふんだんに取り入れられたハマースミス・テラス7番地の彼の邸宅をベースに創られています。アーツ・アンド・クラフツ運動の素晴らしき痕跡である彼の邸宅から、多くのモリスデザインやハンドメイドの工芸品を再発見。まさしくこの邸宅とのコラボレート・コレクションとなっています。

それでは、収録アイテムをご紹介していきましょう。


こちらは、東京ショールームの、ウィリアム・モリスコーナーです。


画像左のカーテンは、Trent 227025
「トレント」とは、イギリスで3番目に長い川の名前。1888 年、モリス商会で最も高価なプリントテキスタイルという栄誉とともに誕生したファブリックです。
曲線を描くチューリップや曲がりくねるアカンサスの葉など、英国庭園の代表的なモチーフが描かれています。 モリスのデザイン理念である「広範囲に広がるリピートで目を楽しませる」「巧みに描かれたモチーフで魅了する」という 2 つの要素を表現したデザインになっています。ファブリックは右の画像のように3色展開、同柄の壁紙(アートワーク用)は2色展開です。


画像左のカーテンは、May’s Coverlet 237308
エメリー・ウォーカー卿の邸宅の寝室にある、印象的なクルーエル刺繍のベッドカバーのデザインを、再解釈したもの。オリジナルはモリスの次女メイによって、長年寝たきりだったとされるエメリーの妻のために作られたもので、モリス家とウォーカー家の女性たちの友情が生み出した創造性への賛辞でもあり、ウォーカー家で代々大切にされてきました。
リネン100%のベース生地に手作業で施されたメイのステッチは、彼女の驚異的な針仕事の才能を象徴するもの。オリジナルカラーを再現したインディゴの他、右の画像にある、絡みつく蔓のようなグリーンがあります。

*”刺繍の名手”であったメイ・モリスの素晴らしいデザインから着想を得た『MORRIS ARCHIVE V – MELSETTER』も2019年の発売以来、非常に人気の高いコレクションです。ぜひこちらもチェックしてみてください。


続いて、画像左のカーテンは、Bluebell 227038
英国で”春を感じる花”として知られるブルーベルの花を描いたもの。モリスの最も魅力的な資質のひとつは、このブルーベルのように、英国に自生する身近にありふれた”普通の花々”を愛したことでしょう。大きく描かれたアカンサスの葉や、絡み合う大きな葉で囲われた控えめなブルーベルは、春の森を彩るよう。

右の画像に見られるように、左右鏡写しのシンメトリックなデザインで、「(メインの花ではなく)第二の花」の名前をつけるという彼の伝統を引き継いでいます。1876年に描かれたデザインで、今回発売の3色の他に、素材や色使いなど表現が異なる既存色がございます。


画像左のカーテンは、Bower 227030
「バウワー」とは、庭や森の木々の下、日陰になる心地よい場所のことで、この高揚感溢れるデザインは、まさにそのもの。1877 年にモリスのパターンとして登録されたデザインで、生命力あふれる葉や花々が咲き誇るフローラル・ ワンダーランドを表現しています。ファブリックは右の画像のように4色展開、同柄の壁紙は3色展開です。


続いて、画像左のプリント生地は、Rose 227023
チューリップとバラの花が優雅に咲き誇る様と、ドラマチックな棘のある茎が重なり合ったデザインです。モリスは、このデザインに描かれている、雑木林の中で遊ぶ一対の楽しげな鳥のように、自然界の日常的なドラマをよく観察していました。1883 年にモリスが家具用生地としてデザインしたもので、エメリー・ウォーカー卿の邸宅の客室で広く使用されました。かつてアーカイヴコレクションに収録されていましたが、今回久し振りに再登場。ファブリックのみのアイテムで、イエロー系(227022)との、2色展開です。

画像右のプリント生地は、The Beauty of Life 227034
「The Beauty of Life」は、モリスが「文明が脅かされている、最新の危機に立ち向かえ」と熱烈に訴えた、1880年2月19日、バーミンガム芸術協会で行われた講演のタイトルです。この奮い起こすような叫びは、モリスの真髄であるスクロールする葉、美しい文字、遊び心のある野生動物のモチーフで装飾された豪華なインディゴカラーの生地に、永遠に刻まれます。モリスは、工業化された資本主義が「全人類から人生のあらゆる美を奪う」という脅威に立ち向かっていたのです。
こちらもアーカイヴコレクションに収録されていたデザイン。レタリングはウィリアム・モリス自身が発行していたケルムスコット・プレスの本からインスピレーションを受けています。ファブリックはこちらのインディゴ1色、同柄の壁紙は2色展開です。

左の画像の織り生地は、Flowers by May 237313
宝石のような魅惑的な色彩が、深い真夜中のようなインディゴカラーに映える草原の花々を、生き生きと描き出しています。ディテールの美しさが際立つこの生地は、もともとモリスの書斎に置かれていた17世紀の椅子の座面を飾っていたものです。モリス亡き後、次女のメイは「MM to EW」(May MorrisからEmery Walker へ)という献辞とともにカバー付きのクッションを作りました。「Flowers by May」には、世代を超えた友情が創造性を刺激するという物語があるのです。


こちらの画像の刺繍生地は、Daisy Embroidery 237310
鮮やかなマルチカラーが楽しい、1864年、モリス商会の初期の壁紙である「Daisy」の新しい刺繍バージョン。麻100% のベース生地に、厚みのあるステッチによるフローラルデザインが、手刺繍のようなクラフト感をもたらしています。


画像左のプリント生地は、Emery’s Willow
1874年に発表された「Willow(柳)」の背景に、遊び心あふれる泡のような形を配置しています。柳の木は、繊細に絡み合う枝と、わずかな風でも心地良くそよぐ葉を持ち、モリスが繰り返し使用したモチーフ。エメリー・ウォーカー卿の邸宅のダイニングルームに飾られていた、壁紙デザインが基になっています。画像の通り、3色展開のファブリックと、同柄の壁紙が4色のラインナップです。

画像右のプリント生地は、Borage
1883年、モリスによるデザイン。描かれている花は「ルリジサ」というハーブの一種で、蜂などの花粉を運ぶ者たちに好まれる植物。こちらは元々家具用生地として考案されたもので、精気溢れる花のパタ ーンと左右対称のデザインは、どんな家具にも生き生きとした視覚的な面白さをもたらします。エメリー・ウォーカー卿も、彼の邸宅の居間の家具用生地として使用しました。画像の通り、3色展開のファブリックと、同柄の壁紙が4色のラインナップです。


左の画像は、Bird Tapestry 237312
ペアの鳥が止まり、飛び立つ様子を交互に描いた穏やかで落ち着いたパターンです。こちらは、モリスが1878年に制作し、自身の邸宅”ケルムスコット・ハウス”の応接間に飾るために選んだタペストリーのデザインでした。美しく繊細に織り上げられたファブリックを、モリスに倣ってタペストリーのようにお部屋に掛け、モリスやウォーカー卿が生きた時代に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。

右の画像、中央の壁紙は、Bird 217194
前述のBird Tapestryのデザインが、今回初めて壁紙になりました。重厚なカラーから、フレッシュなカラーまで、お部屋に合わせてお選びいただける4色展開です。


Birdタペストリーと、 Kelmscott House のドローイングルームの様子( Emery Walker による撮影)*William Morris Societyアーカイヴ資料より


こちらの壁紙は、Rambling Rose 217206
森の散歩道やコテージのガーデンに咲くイングリッシュローズを描いたもの。バラを象徴する「愛」や「純粋さ」のイメージとは相反するかのように、蔓が巻き付き、ねじれ、棘のあるバラが、迷路のような構造で描かれています。バラは、モリスの壁紙には珍しいデザインで、タペストリーや詩の中に登場することが多いモチーフです。1877 年に発表されたデザインで、今回のコレクションにて久し振りの復活となりました。
東京ショールームのパネル展示でご覧いただける、こちらのカラーを含む3色展開、壁紙のみのアイテムです。


また、こちらの画像の壁紙、Wallflowerは、1890年にモリスによってデザインされたもので、アカンサスの葉の曲線に優しく描かれたウォールフラワーがバイタリティに満ちた力強い印象を与えています。濃い点描がサーフェスプリントのテクスチャー感を表現している一方、薄色の葉模様が彫刻のような奥行きを表しています。エメリー・ウォーカー卿の居間に掛けられていた壁紙にインスパイアされており、こちらも、今回のコレクションで久し振りの復活となりました。画像の3色展開、壁紙のみのアイテムです。

ご紹介してまいりました新しいコレクション『EMERY WALKER’S HOUSE』いかがでしたでしょうか。
収録のアイテムは、モリスが最初に確立した高い技術水準を維持するために、手仕事によるタッチ、最高水準の織物やプリントの品質担保など、あらゆる努力が払われ作り出されています。

愛に満ち、創造性溢れるものだったとされるモリスやモリスの家族とウォーカー卿の関係性が垣間見えるような、 これまでコレクションに加わることのなかったデザインや、再び表現されたモリスの名作が収録された「EMERY WALKER’S HOUSE」は、すべてのインテリア愛好家にフレッシュで新たな気づきを与えてくれる、 世界中のモリスファン待望のコレクションです。

美しいデザインに目を奪われ、背景にあるストーリーに思いを馳せる、奥深いモリスの世界をどうぞお楽しみください!
もっと詳しくお知りになりたい方は・・・

Emery Walker’s House HP
エメリー・ウォーカーズ・ハウスのホームページで、実際のお部屋の中の様子もご覧いただく事ができます。*一部画像をこちらからお借りしています。

MORRIS WORLD.JP
ウィリアム・モリスのタイムレスなデザインと「美しい暮らし」のための情報をお届けすることをコンセプトとしたサイトです。

モリスワールド メンバーシッププログラム
お客様に特別な体験をお楽しみいただくための会員制度です。さまざまな会員特典をご用意しております。ぜひご入会ください。

New!!『MANAS‐TEX VOL.18』&『SATELLITE|OMBRÉ』同時発刊

2023.05.30 / tokyo

去る5月16日、清々しい五月晴れに恵まれた日に、弊社のオリジナル国内在庫コレクション、『マナテックス』と『サテライト|オンブレ』が同時発刊を迎え、3日間のお披露目イベントを開催いたしました。

マナテックスは、弊社を代表する基幹コレクションで、4年振りの発刊、今回でVOL.18となりました。そしてサテライトは、旬のコンセプトテーマを捉えた注目ジャンルコレクションで、これまでマナテックス発刊の合間にオンブレ、クラブ、エッセンシャルズと発表してきましたが、今回初めて両コレクション同時の発刊となりました。

新版改編にあたり、マナテックス、オンブレ共通のテーマは、”RE-Start:RE-Standard”。
世界的にも大きな変革期を迎え、不安と閉塞感に長く覆われていましたが、いよいよそこから抜け出し、スタートし直す時がきました。変わらぬMANAS’ STYLEを再確認するとともに、今の時代に相応しい在り方を新たに見出し、MANASらしいスタンダードアイテムを新解釈でご提案しています。

インスピレーションの源はファッションから。デザインの美しさ×アルチザン(確かな技術力)×今を生きるライフスタイル、これらを体現しているオーセンティック・ブランドや、上質な天然素材と着心地の良さを追及しているハイカジュアルブランドをお手本として、お洋服を身にまとうように、お部屋を彩るファブリックにも大人のお洒落感を。

そして注目カラーは、大人ピンクの「モーヴ」に、肌感覚のヌーディーカラーをプラスした、スキン・ベージュ・ピンクと、モカ&カフェラテカラー。これは、インテリアの基調色がこれまでのグレイッシュカラーに、ベージュ・ブラウンといったウォームカラーが加わってきている傾向を捉えてのもの。

さらに、それらとの相性も抜群の、ブルーからグリーン系。自然を代表する空や水、植物の色が引き続き注目され、色の範囲がさらに広がっています。

そこに、イエロー系、紫ラベンダー系をアクセントカラーとして、フレッシュで希望を感じさせるイメージに。

それでは、お披露目イベントでの東京ショールームのコーナーディスプレイをご覧いただきながら、新しいアイテムをご紹介していきましょう!

 

 

まずはエントランスから。キーワードは”Italian Neo Classic”です。

コロナ禍での”Stay Home”を経て、インテリアに対する考え方も変化し、家はその人のパーソナリティを表現する空間であり、その空間が住まう人にもたらす影響がより重要視されるように。基調色は、ラグジュアリーで華やかな輝きが、住まう人に活力を与えてくれるゴールド。人々が集うリビングへのおすすめコーディネートです。

●ドレープ(外側):フェラーラ 400
マットなサテン地に、クラシカルな大柄の花唐草模様を、光沢糸でモダンなステッチ刺繍風に織り出した、ドイツのトップメーカーによる先染めジャガード織生地。更に、上下ボーダー方向に繊細な織りで、美しいカラーグラデーションがかけられています。

●ドレープ(内側):フィリグラン 2
クラシックなオーナメントモチーフを金細工の透かし模様のように繊細に織りあげた先染めジャガード織生地。上部にオーガンジーを重ねた二重織のため、モアレ効果が加わっており、フェミニンで上品な印象です。また、再生ポリエステルを使用し、環境に配慮した生地です。

次にご紹介するのは、”Neo Trad”をキーワードにした、主寝室向けのコーディネートです。

バランスには、トラディショナルなダマスク柄の生地を使いながらも、デコラティブになり過ぎず、スマートで直線的な印象が、アールデコ調をイメージさせる、変形箱ヒダバランスを採用。クラシックなスタイルを取り入れたい奥様と、甘すぎる設えは苦手なご主人様のどちらのご要望も叶えるスタイルの一例としていかがでしょうか。

●ドレープ・バランス:マントヴァ 101
北イタリア ルネッサンスの街の名前を付けた、イタリアトップメーカーによる難燃先染めジャガード織生地。端正なダマスク文様が、デリケートなカラーリングで、細やかに織られている、非常に品格のある生地。柔らかい質感なので、スワッグ&テイルバランスにもおすすめ、また椅子張地としてもお使いいただけるアイテムです。

●シアー:ルーチェ 14(新色)
光沢が美しい、二重織り、リヴァーシブルのタテ使いシアー。既存の6色に、ココア、セージの2色が加わりました。ドレープよりも濃色のシアーを合せることで、より奥行きが感じられます。

続いてこちらは、左右で異なる趣のコーディネート。
右側は、ご主人様の書斎をイメージした、スタイリッシュなイタリアンモダン”Urban Contemporary”、左側は、奥様のお部屋をイメージした、洗練されたフェミニンスタイル”Classy”でまとめています。また、高層マンションなどの防炎物件にもそのままのスタイルでお使いいただくことがきるよう、すべて防炎品でセレクトしています。

●ドレープ(右):ペルージャ 2
イタリアのトップメーカーによる先染め難燃ジャガード織生地。大胆で有機的なアブストラクト・デザインを、いくつかの異なる表現で緻密に織り出しています。カラーはこちらのギルバーの他に、チョークピンクがあり、それぞれに雰囲気が大きく異なる印象の生地です。

●ドレープ(中央):テンダー 4
シュニール織のようなヴォリュームと柔らかさのあるマットな柄部分と、光沢のあるベース部分が織りなす、ニュアンスのある杢調の後染めジャガード織生地。三種のミックス糸を使うことで、テクスチャーと色の対比が印象的に空間を演出します。再生ポリエステル使用生地です。

●シアー:テヴェレ 20
テクスチャー感のある繊細なヘアーラインの織り模様が特長の、難燃先染めジャガード織のシアー生地。極く細かいストライプ状の模様が川の流れを思い起させるデザインです。

●ドレープ:レジーナ 1
イタリア語で「女王」を意味するネーミングの通り、クラシカルでエレガントなオーナメント柄、重厚なテクスチャー感の、難燃後染めシュニール・ジャガード織生地です。金銀の砂子模様のような地紋の上に、エンボス・ベルベットのように立体感のあるモチーフが表現されています。

●ドレープ(中央):アンフィニ 3
たたき調テクスチャーのベースと透け感のある生地を収縮糸で立体感を表現した二重織後染めジャガード生地です。再生ポリエステル使用生地です。

続いては、”Japandi”、”Nature et Luxe”をテーマにしたコーナー。

 

日本の家具メーカーが得意とする木工家具との相性も良く、木の素材感を活かしたインテリアにぜひ合わせていただきたいコーディネートです。

●ドレープ:チェスナットツリー 1190
チェスナットツリー(セイヨウトチノキ 別名:マロニエ)がトレイル状に刺繍された英国調のデザイン。モチーフのアウトラインにコード刺繍を加えることで、より立体的に表現されています。グレージュ系の濃淡であえて色味を抑え、コンテンポラリーでスタイリッシュな趣に仕上がりました。この”コード刺繍”は、Pure MorrisやNina Campbellなど海外エディターコレクションの中にもしばしば取り入れられており、クラフトマンシップが感じられ、デザインの豊かさをより引き立てる技法のひとつです。

左側の画像のプレーンシェードは、
●ドレープ:シトロン 21(新色)
レモンのような形のデザインであることからネーミングされた、ナチュラルな刺繍生地。糸の節がランダムに現れる表情のあるベース地に、光沢のある糸で刺繍が施されています。既存の3色に、より使いやすいニュートラルカラーが加わりました。
●シアー:ルチア 1
表面は繊細な光沢のあるシルバー糸のストライプ模様、裏面は滑らかな表情のリヴァーシブル仕様。遮熱・UVカット効果のある広巾(300㎝巾)横使いシアーです。シトロンの光沢のある刺繍に良く合います。

右側の画像のプレーンシェードは、
●ドレープ:メドウ 8433
少し毛羽のあるソフトな手触りのコットン×ポリエステル地に、草原の草花を一面にモノトーンで刺繍しました。ナチュラルでクラフト的な味わいのあるデザインです。
●シアー:マルグリット 5764
クリスピーな⿇調の地に、マーガレットのような花モチーフのマクラメ刺繍が三段階に施されているシアー生地。

外からの光が差し込むと、お花の形の影が映し出されるのも可愛らしいですね。

また、プリントや刺繍が施された柄物シアーも、ラインナップが増えました。

●左画像:エスキス 05
細かいストライプ織のベース生地にデジタルプリントを施した難燃シアー。ブルー、オレンジ、グリーン、パープルなど様々な色が自由なスケッチ風に弾むように表現されています。コンテンポラリーアートを掛けるようなイメージで。
●右画像:リース 1
ten to senのデザイナー、岡理恵子さんの野遊びの花輪のモチーフを、柔らかく少し光沢のあるシアー地にオパールプリントしました。ラッキーチャームの「青い鳥」と、金銀の切り紙細工のようなシルエットが作り出す、大人メルヘンの世界。

こちらは、春の小さな花々が一斉にはじけ咲いたデザインを、柔らかい光沢のあるオーガンジーライクのシアー生地に総刺繍したスプリングに、MANASのロング・ベストセラーのひとつで、表シャンタン&裏サテンのリヴァーシブル生地、ベガの新色を重ねたもの。

いずれもフロントシアーでお楽しみいただいてはいかがでしょうか。

最後にこちらは、ボタニカルモチーフの刺繍やプリント生地を集めたコーナー。
今回、キッズ向けのポップなプリント生地に変わり、あえて少し大人っぽいデザインや色味のラインナップとなっています。お子様の成長段階に合わせずとも長くお使いいただけるものを選ぶというのも、サスティナブルな考え方のひとつではないでしょうか。

さて、今回のブログでは、ディスプレイのご案内をしながら、新作アイテムの一部をご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

MANASの美意識「上質と洗練」に基づいた世界観の再出発、カラーや機能性、再生ポリエステルの使用など、今の時代に相応しくアップデートされた「マナテックス」と「オンブレ」を、どうぞよろしくお願いいたします。

★東京ショールームでは、エントランスをはじめご紹介しましたディスプレイの一部を、6月末頃まで引き続き展示予定です。また、国内在庫コレクション全柄・全色の巾なりバンガーサンプルと、縫製サンプルを多数、常設展示しております。この機会に是非ご覧くださいませ。皆様のご来場を心よりお待ちいたしております。

New!!『OSBORNE&LITTLE』ディスプレイ

2023.04.24 / tokyo

新緑が美しい季節となりました。
今年はゴールデンウィークに旅行を計画されている方も多いのではないでしょうか。

さて、東京ショールームのエントランスは、一足先にイタリアのリゾート地として有名なコモ湖の風景に!避暑地でのヴァカンスに誘われるような、ラグジュアリーな雰囲気で皆さまをお迎えしております。

今回エントランスを飾るブランドは、イギリスのOSBORNE &LITTLE(オズボーン&リトル)です。
1968年、ロンドンのチェルシーに開かれた小さなショールームを原点に、デザインの境界を押し広げる豊かな想像力と独創性を原動力にして、新たなデザインを生み出し続けており、多くのデザインが称賛を受け、ロンドンやニューヨークなどの美術館に収蔵されています。

2023年春夏新作のメインコレクションは、湖畔の景色、水鳥、水生植物、花、そして魔法の森からインスピレーションを得た『RHAPSODY』コレクション。
テキスタイルクラフトを称え、伝統的なものから現代的なものまで、さまざまな技法を用いて想像力豊かにデザインされたファブリックと、デジタルプリントの壁紙が揃う、魅惑的なコレクションです。
それでは、それぞれのアイテムをご紹介していきましょう!

まず、中央の壁紙は、Villa Como W7813-01
その名の通り、北イタリアの美しい湖、コモ湖の風景が描かれています。丘の斜面を背景に、葉や藤の花で飾られた石の列柱を持つ、伝統的な湖畔のヴィラのシーンが繰り返されるデザインは、優雅で美しく、まるでホテルの室内から対岸を眺めているかのよう。同柄のファブリックもございます。

続いてこちらの画像のカーテンは、Herbaria F7772-01
印象派風に描かれた花々が、まるで植物標本集を開いたかのようにプリントされた生地。よく見るとドット柄のようにサテンのスポットが織り込まれており、それらを断続的にカットしてフリンジ効果を施しています。可憐に咲く花々が、風に揺れるような動きを感じるデザインです。


画像左のカーテンは、Meru F7801-08
エンボス加工のベルベットコレクション『SAMBURU STAIN-RESISTANT』(画像右)に収録されたアイテムのひとつで、ランプの光に照らされて、表情豊かな光沢を放ちます。耐久性に優れ、防汚加工が施されているため、椅子張地としてもお勧めのアイテムです。


そして、左の画像のブロックストライプのサテン地は、Pisa Stretto F7790-08
オーガニックコットンとポリエステルの混紡で、ほのかな光沢がとてもエレガント。23色のモダンなカラーパレットで表現され、クラシックからモダンまでのコーディネートに幅広く活躍しそうなアイテムです。

こちらは、異なる2つのストライプ生地のコレクション『PISA STRIPES』収録のアイテムで、右の画像(中央と一番下の生地)でご覧いただけるように、もう1アイテムはナチュラルな風合いが美しい、ビスコースとリネンの平織りストライプPisa Largo F7791-03(中央)F7791-04(一番下)

素材やストライプの幅の違いを、音楽用語にもあるイタリア語Stretto(狭い、窮屈な)と、Largo(幅広い、ゆったりとした)という呼び名で区別しています。

続いてクッションをご紹介しましょう!


右手前のクッションは、Chromatica F7744-01
ジャカードベルベットにデジタルプリントされた、調和のとれた色彩の抽象的なパタ ーン。背景の壁紙のカラーを受け取って抽象的な幾何学柄に変換したかのようにしっくりとマッチし、ジャカード織りで表現された縦横に交差するメタリックなラインが、ベルベットの光沢に、よりモダンな輝きを添えています。

左奥のクッションは、Inca F7730-02
表面にループ状の糸が出る立体的な質感が特徴のブークレは、インテリアファブリックのトレンドのひとつ。今季の新作でも様々なブランドから発表されていますが、中でもこちらはラマウールを使用し、ぽってりとした大き目なループが特徴的で、ツートンの糸使いによってさらに立体的に見えます。


そして、裏面はそれぞれ異なる質感の生地を組み合わせています。

左手前は、軽量のラマウールを使用したプレーン生地、Salar F7732-02
右奥は、カットベルベットで作られたチェッカーボードデザイン、Alisa F7741-01


こちらは、ご紹介したクッションの生地が収録されたコレクションブックの一部、いずれもバリエーション豊かな生地が揃います。

左の画像は、デコラティブなベルベットのエレガントな椅子張り地を集めた『VIVIANA』コレクション。カットとアンカットのベルベットで構成された幾何学模様をメインに、オズボーン&リトル独特の鮮やかなカラーパレットで表現された9つの個性的なデザインが揃います。

右の画像は、ニュートラルカラーとナチュラルカラーのスタイリッシュな無地調の織り地を集めた『ATACAMA』コレクション。ウール、モヘア、リネン、コットンなどの天然素材を使用し、ブークレ、ベルベット、フリンジなどの様々なテクスチャーが揃います。


続いて手前のクッションは、先にご紹介したカーテンとお揃いのエンボス加工のベルベット、Meru F7801-08。中央に国内在庫のオリジナルアクセサリーコレクションのボーダー、パサージュ1を2本並べてあしらいました。

奥のクッションは今季のトレンドカラーのひとつでもある、テラコッタカラー。シダを思わせる繊細なデザインの浮き出し織りで、美しいシルクとリネンの混紡生地、Foulard Silk F7750-04です。左右の両端にこちらもオリジナルのフリンジ、トリル130をあしらいました。『Foulard Silk』は右画像のように美しいグラデーションの豊富なカラーバリエーション、20色展開です。

最後に、先にご紹介したメインコレクションの『RHAPSODY FABRICS』より、プリントや刺繍が素晴らしいファブリックをもう少しご紹介しましょう。


左の画像は、Elysium Velvet F7770-01
Elysiumとは、神々に祝福された者が住まうギリシャ神話の楽園のこと。睡蓮と水に浮かぶ巨大な葉をモチーフにした総柄のデザインを、ランダムな太さのスラブ糸を横方向に使った贅沢なベルベットにプリントしています。同柄の壁紙もございます。

右上の画像は、Puzzlewood F7777-01
Puzzlewoodとは、英国イングランド南西部のグロスターシャー州にある古代の森林地帯のこと。幻想的な木が果実や花、鳥や蝶で飾られ、手刺繍の結び目やステッチで豊かに装飾されており、同柄の壁紙もございます。

右下の画像は、Ravenala F7778-01
Ravenalaとは、扇状に葉が育つことから扇芭蕉、また葉の付け根の部分に雨水が溜まり旅人の喉を潤したことから”旅人の木”との呼び名も持つ、トロピカルな植物。植物と種子や木の実の殻、さやをモチーフにした遊び心のあるデザインは、マットな糸で刺繍され、手刺繍のノットで飾られています。

オズボーン&リトルの今季の新作、いかがでしたでしょうか。
華やかなメインコレクションに加え、様々な素材、質感、カラーバリエーションのサブコレクションが揃います。春夏の季節にぴったりの爽やかな色合いを、お部屋に取り入れてお楽しみください。

☆東京ショールームのInstagramアカウントでもご紹介しています。
 こちらも是非ご覧ください!!

New!!『ジオメトリック・デザイン』ディスプレイ

2023.03.28 / tokyo

東京ショールームからすぐ近くの目黒川は、人気のお花見スポット。
今年も目黒川の桜をお目当てに、沢山の人々が訪れ、中目黒が一年でいちばん賑わう季節となりました。

さて今回は”幾何学柄”にスポットを当てて、UKブランドコーナーの一角に展示中の『ジオメトリック・デザイン』ディスプレイをご紹介します。

OSBORNE &LITTLE(オズボーン&リトル)kirkbydesign(カークビーデザイン)HARLEQUIN (ハーレクイン)、英国の3つのブランドのコレクションから印象的な幾何学柄をピックアップ、クッションや、四角いスツールのカバーにしてディスプレイしています。

各ブランド絶妙なカラーリングとデザインで、エネルギッシュな魅力を放っています。

まず1つ目に、オズボーン&リトルの『JIVE』コレクションから。
このコレクションは、イギリスのテキスタイルアーティスト兼デザイナーMARGO SELBYによるもの。彼女がオズボーン&リトルのために特別にデザインした椅子張りやソフトファニシング用の織物コレクションは『RAGTIME(2016SS)』『MENPHIS(2019SS)』の成功に続き、第3弾となります。


MARGO SELBY
ロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アーツ&デザインでテキスタイルデザインを学び、その後同じくロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アーツにて学位を取得、2001年に卒業。
卒業後、織物デザイナーとして生産工場に勤務。後に彼女のブランドのトレードマークとなるユニークな3D=3次元的な生地を作り出す、革新的な手織り製法と工業機械を結び付けたのはこの時期であった。
作品を作る動機として、彼女にとってとても重要なのは「カラー」。
世界中の民族的なテキスタイルや、グラフィックデザイン、建築物など、インスピレーションの源は幅広く、スタジオを構える英国ケント州、ウィスタブルの海沿いの街でのライフスタイルもまた、創造力を掻き立てている。
彼女の作品は、世界各国の商業施設、個人邸に使用されている他、博物館、大手ショップなどとのコラボレーションも多数手掛けている。

20世紀半ばに流行した賑やかなダンスミュージックから名付けられたこの『JIVE』コレクションは、複雑でエネルギッシュなデザイン 。マーゴ独特の調和のとれた色の組み合わせで、すっきりとしたラインと大胆なシェイプが特徴です。 
今回のコレクションのデザインは、彼女のスタジオの “ART IN INDUSTRY”(産業の中にある芸術)を体現するという、マーゴのアート活動を発展させたもの。インスピレーションは建築やタイポグラフィなど多岐にわたり、常に音楽から得たものになっています。 


左の画像は、Bossa Nova F7720-02
ジグザグに交差する形状をループ状やカットパイルに織り込み、角張ったダイナミズムを持つ大胆なベルベット生地を実現しました。光沢とマットの質感を巧みに組み合わせ、不思議な立体感が生まれています。

右の画像は、Mambo F7723-01
建築的な立体感のある段差のあるパターンは、マーゴの手織り作品を彷彿とさせます。

左の画像、Gavotte F7722-02(上)01(下)は、横切りながら直交する線が織り成す、複雑なブロックパターンのデザイン。

右の画像、Motown F7724-03は、円・三角・四角のコントラストカラーで構成された幾何学的なジャカード生地。2019SSの『MEMPHIS』コレクションで発表されたデザインで、今回新たに3色のカラーバリエーションが加わりました。


こちらのクッションは、Carioca F7721-02
複雑な縦縞を特徴とするウール主体の生地で、強度が高く、椅子張地としてコントラクトユースにも対応可能。 カラーバリエーションの割合が正確に変化することで、音階のようなリズミカルなパターンが生まれます。

マーゴは、今回のコレクションへの思いを次のように語っています。
「私は、明暗のバランスを取りながら、調和のとれた、しかし時には驚くような色の組み合わせで、折衷的なテキスタイルシリーズとしてデザインしました。 インテリアデザイナーがどのように複数のデザインを 1 つの空間にまとめ、私たちが生み出した豊かなテクスチャーや色で遊んでくれるのか、今からとても楽しみです。」 
さあ、彼女のデザインを組み合わせたインテリアで、大いに遊びましょう!

続いて、”幾何学柄”と言ったらご紹介からは外せないブランド、カークビーデザインをご紹介します。今回のコレクションは『RE : EDIT / 10 YEARS』。ブランド設立10周年を記念して、これまでに発売したアイテムの中から、最もアイコニックな10種類のデザインを、フィーチャーカラーで収録しています。


イギリスのROMO(ロモ)のインハウスブランドのひとつとして2009年に誕生したカークビーデザインは、2022年、ブランドディレクター、ジョーダン・モールドの指揮のもと、10年の節目を迎えました。この間、ブランドは絶えず革新と進化を続け、インテリア市場に数々のユニークなデザインを提供してきました。

彼らは毎年「サステナビリティにフォーカスを置く、デザイン主導のブランド」として、今日のように知られるようになるためのステップを踏んできました。リスクを冒しても楽しみながら、遊び心と実験的なアプローチで、マーケットに”Kirkby”というユニークな場所を作り上げることに貢献しています。
彼らの独特の美意識は、常に時代を先取りし、最先端のファブリック、ウォールカバリング、アクセサリーを提供する、業界のリーダーとしての地位を確立しています。


コレクションブックのトップにもなっている、ダイヤモンドパターンの生地は、Pendant K5199-06
この印象的な幾何学デザインに強い立体感を与えているのは、メタリックな輝きを放つベース地と、テクスチャーのあるループパイルの組み合わせによるもの。豪華でありながらモダンな印象で、椅子張地に最適なコンテンポラリーファブリックです。

もう1つの、小さな三角形のプリントと鮮やかなオレンジのポップなカラーが特徴的な生地は、PUZZLE K5111-01
カークビーデザインの新しい方向性のもと、革新的なデザイン主導のアプローチで作られた最初のジオメトリック・デザインのひとつ。スタイリッシュで洗練されたユニークなデザインです。


こちらは、ロンドン交通局とのコラボレーションで注目を集めたデザインで、ロンドンの特徴的なデザインのアイデンティティを独特の風合いで鮮やかに表現しています。

左は、District K5097-01
このモケットデザインは、多作な建築家・デザイナーのミーシャ・ブラックが1970年代に制作したもの。ロンドン地下鉄のディストリクト線の座席に導入され、瞬く間に街のシンボルとして、人々の潜在意識に定着するもとのなりました。高級でモダンなベルベットとして生まれ変わったDistrictは、レトロでデコラティブな質感を持っています。

右は、Piccadilly K5099-05
この複雑で幾何学的なモケットデザインは、1994年、当時まだ運行していた1970年代の地下鉄車両の改修の一環として、ピカデリー線に導入されたもの。断片的なスケールとテクスチャーで遊ぶようなこのカット&アンカットベルベットは、デザインもカラーもコンテンポラリーに表現されています。

この先の10年もまた、カークビーデザインがどのような革新と進化を遂げるのか注目です。

最後に、ハーレクインの『COLOUR3』コレクションより、壁紙と生地をご紹介しましょう。


左の壁紙は、Blocks 112942
伝統的な職人技が光る、市松模様。3色のカラーバリエーションで、3D効果のあるブロックの層が、大胆な幾何学模様を作り出します。

右の生地は、Blocks 133898
ふっくらとした椅子張り用ベルベット。壁紙と同柄ですが、生地のほうがパターンが小さく表現されています。

ジオメトリックデザインを集めたご紹介、いかがでしたでしょうか。
緻密に計算し尽くされたパターン・カラー・テクスチャーの組み合わせで、それぞれに個性がキラリと輝きます。お気に入りのジオメトリックデザインで、スタイリッシュな空間をお楽しみください。

New!!『RUBELLI-RETURN TO ARCADIA by Luke Edward Hall』ディスプレイ

2023.02.28 / tokyo

週1回、エントランスに飾る生花を選びに、ショールーム近くのお花屋さんに行くのですが、チューリップやアネモネなど色とりどりの春の花が並ぶようになり、風が冷たいながらも春の気配を感じます。

今回は、ヨーロッパにある最高級エディターの中で最も古い歴史のある会社のひとつ、イタリアのRUBELLI(ルベリ)のコレクションをご紹介します。

1889年ヴェネチアに創設されたルベリは、世界トップレベルの自社工場を保有しており、デザインから生産、販売まで一貫した体制で行っています。世界中から集められた4000を超える貴重なアーカイブ資料を創造源に生まれるインテリアファブリックは、各国の著名な劇場やホテルにも多く取り入れられています。

今回ご紹介するコレクションは、このルベリと”新進のデザインスター”と評されるルーク・エドワード・ホールによるコラボレートコレクション『RETURN TO ARCADIA by Luke Edward Hall』です。

Luke Edward Hall(1989~)
世界中の企業に独自のスタイルを提供する、イギリスの若きアーティスト兼デザイナー。ロンドンのセントラル・セント・マーチンズで教育を受け、ベン・ペントリース*の会社で働いた後、2015 年ロンドンに自身のスタジオを設立。バーバリーやリバティをはじめ、ディプティックやリチャード・ジノリなど、そのデザインワークは多岐に渡る。彼は、インスタグラムに、国内外を旅した写真と仕事やインスピレーションの画像を、分けることなく一緒に投稿し、友人と美的感覚を共有するツールとして愛用していたが、結果それがビジネスツールともなっており、企業はインスタグラムを通じて彼を見つけることが多いという。

*ベン・ペントリース…イギリスの建築デザイナー。
Morris&Co.とのコラボレーションで人気を博すコレクション『THE QUEEN SQUARE(2020AW)』『THE CORNUBIA(2022SS)』を手掛けており、こちらのブログでもご紹介しています。

それでは東京ショールーム、ルベリコーナーのディスプレイをご紹介していきましょう!

コレクション名『RETURN TO ARCADIA』にある、ARCADIAとは、ギリシャ南部、ペロポネソス半島の中央部の高原地帯。高い山や峡谷により他から孤立し、古代ギリシャでは”理想郷”とされ、17世紀の絵画や文芸などに影響を与えました。そしてルークもまた影響を受け、彼によって表現された理想郷が広がります。

それではまずカーテンから。
画像右側は、Ribbon Bouquet 30508-03
華やかなブーケと躍動感のあるリボンがとても立体的に見えますが、実はコットン&リネンのプリント生地です。こちらはルベリが保有するアーカイブデザインで、オリジナルは織り生地ですが特殊なプリント技術により、このような立体感が再現されています。ルークはいつも古い花柄の生地に惹かれるそうですが、古い色は彼の目には少しくすんで見えることがあると。そこで今回は背景をピーチやラベンダーにアップデート、程よい甘さを加えたものになっています。

画像左側は、Chain Stripe 30503-01
ロンドンの美術館で見つけた19世紀初頭の壁紙の断片からインスピレーションを得た、鎖がモチーフのストライプ。生地巾320㎝の広巾のタフタで、ヨコ使いにした際にタテストライプとなります。滑らかでドレープ性が良く、防炎品のため、高層マンションやコントラクトユースにも対応可能です。

こちらは、Gothic Folly 30509-01
ルークのお気に入りである、イングランド南西部グロスターシャーのペインズウィック・ロココ庭園にあるフォリー(公園の塔、遊園地のお城など、景観のアクセントとしてつくられる建造物)をモチーフに、城壁やゴシックのモチーフをスケッチしたもの。

夏の暑い日、民家の屋根が城壁のようになっているのに気づき、すぐにこのデザインが 目の前に現れたそう。目に留まったものから、こうして次々デザインが生み出されていくのですね。


カーテン上部はハトメ仕様となっており、その下にあしらったタイのジム・トンプソンのボーダー、Duquette Valancia Border JT030056004もまたユニークなデザインで、城壁の形ともリンクしています。

そしてこちらはリバーシブルの間仕切りカーテンとなっており反対側は、Quatrefoil 30510-04


Quatrefoilは、四つ葉模様を意味し、ゴシック建築やイスラム建築に見られる葉型模様「foil」の一種。
ルークの審美眼的ヒーローの一人であるフランスのデザイナー、故エミリオ・テリーのカーペットデザインからインスピレーションを得て描いた、幾何学的な形が交錯するスケッチで、とても遊び心のあるコットンプリントです。
お揃いのクッションには、国内在庫品SATELLITE-OMBRÉのサテン生地、メイサ9にてたっぷりとギャザーを寄せたフリルを付けてよりエレガントに。


カーテンの両端にはジム・トンプソンのトリム、Duquette Polka Dot Tape JT030055002をあしらってリズミカルなアクセントに。


また、こちらは、Antinous 30500-03にて作成したテーブルランナーです。モチーフは、ローマ皇帝ハドリアヌスの寵愛を受けたギリシャ人アンティノウスの肖像画。ルークはいつも古代ギリシャ・ローマの世界の人物に惹かれていて、このアンティノウスの物語は、悲しいことに最後はかなり悲劇的ですが、素晴らしいものであり、その美しさで知られるアンティノウスは、永遠に魅力的なキャラクターであり続けるだろう、と彼は言っています。


両端に付けたフランスのHOULESのキータッセル、PALLADIO35186-9720は、ハトメ穴に通してくぐらせており、メンテナンス時のために着脱可能な作りといたしました。


左の画像の生地、Rousham 30507-02に見られる、アルカディアン・ガーデンのスケッチは、イングランド南東部オックスフォードシャーの素晴らしいルーシャム・ハウス&ガーデンに触発されたものです。この庭園は、彼の家の近くの田園地帯にあるため何度も訪れている場所。グロット(洞窟)やプール、崩れかけた彫像など、神秘的で古代の雰囲気を感じさせる風景は、まさに”古典的な楽園”と言えるでしょう。リネンとコットンの地にプリントされたスケッチは彼の筆遣いがそのまま見て取れる作品のひとつです。

右の画像の生地は、Lyres 30501-01。古代ギリシャの古典的な竪琴リラのスケッチ。クラシックの世界の柔らかな音楽が、夏の柔らかな風に揺られながら聞こえてきそうなリラの姿。ベースの光沢感とラインのマットな質感がコントラストを奏でるランパス織です。


画像左の生地は、Dappled Brick 30505-01
生地の名前は「まだらなレンガ」を意味しますが、目の錯覚により、レンガが立体的に見えます。ルークが以前本で見た、ペイントされたバスルームにインスパイアされた、珍しくも大胆な作品です。

画像右の生地は、Wobble Grid 30506-02
Wobbleとは「揺れる、よろめく」の意味 。チェックを再考したもので、フォーマルでなく、より自由で楽しいチェック柄。 彼は古い更紗や色あせたストライプが好きですが、幾何学模様も大好きで、特にこのような大胆な柄は1970年代の雰囲気を醸し出しています。

最後に、ルークが今回のコラボレーションに寄せたメッセージをご紹介します。
「私が部屋をデザインするとき、最も重要な要素のひとつがファブリックのミックスであり、このアイデアがルベリとのコレクションの出発点でした。ストライプや花柄、幾何学模様、小さな柄や大きな柄など、私の好きな種類の生地がコレクションを構成しています。」 
彼の言葉の通り、様々な要素がぎゅっと詰まったコレクション、柄と柄をミックスで使ってもマッチし、ひとつだけ取り入れても存在感を放つアイテムばかりです。

☆Luke Edward Hall初来日レポート☆

先日ルークが初来日、ライブペインティングのイベントが開催されると聞き、もちろん行ってまいりました!トレードマークの風に吹かれたようなヘアスタイルを時々掻き上げながら、30分ほどでサラサラサラっと2枚の絵に色付けしていくその軽やかな筆使いと、思いのままにキャンバスが彩られていく様子を見学できる大変貴重な機会でした。写真撮影やサインにも快く応じてくれて、終始和やかでhappyな雰囲気に包まれていました。


また、数日間に渡る滞在の中で、彼のインスピレーションの引き出しに”日本”が追加されたはず。いつか彼のデザインの中でアウトプットされるのを楽しみにしています。

New!!『HARLEQUIN × DIANE HILL』ディスプレイ

2023.01.30 / tokyo

2023年、新しい1年がスタートしました!
今年もショールームブログやInstagramより、皆さまへ新しい情報をお届けしてまいります。引き続きどうぞ宜しくお願いいたします。


さて、新春より東京ショールームエントランスを華々しく飾るのは、HARLEQUIN(ハーレクイン)。洗練された中に遊び心があり、刺激的なデザインや革新的な技術を用いた多彩なテクスチャー、巧みな色使いで世界の人々に愛されているイギリスのエディターです。

今回のコレクション「HARLEQUIN×DIANE HILL-FABRICS&WALLPAPERS」は、ロンドンにデザインスタジオを構えるアーティスト、ダイアン・ヒルとのコラボレーション。


彼女が生み出す中国古来のデザインへの愛情あふれる作品は、ロックダウン中にSNSを通して瞬く間に人気に。その作品がハーレクインのデザインチームの目に留まったことにより、このコラボレーションが実現しました。彼女のハンドペイントによるシノワズリ柄の美しい作品は、伝統的な様式にモダンなテイストを加え、個性的なスピリットを表現しています。
それでは、ディスプレイのアイテムをご紹介いたしましょう。


まず初めにこちらのカーテンは、Lady Alford 121101
18 世紀に女性の着替え室や寝室に使われたシルクの壁掛けを由来とする、竹の茎にアネモネの花を絡ませたクラシックなデザイン。

コットンサテン地に甘美なアップルグリーンと鮮やかなピンクの対比が印象的なプリント生地。グリーンは、今ヨーロッパのトレンドカラーとしても注目すべき色のひとつです!

右側の画像でご覧いただけるように、上部にはカーテン本体と一体型のフレアバランス付き。インパクトのある花柄とも合わせやすい、幾何学模様のトレリス柄、Lovelace 121105は、”竹”で編まれたパターンを表しており、カーテン本体の”竹”のデザインとリンクしているのにお気付きいただけましたでしょうか?

バランスの裾には、国内在庫のMANAS‐TEXアクセサリーコレクションより、ミリーポンポン 1323をあしらい、動きをつけてみました。


また、こちらは同柄の、Lady Alford 121100
陶磁器を思わせるような白地にブルーの濃淡で表現されており、前述のグリーンベースのものと、同じデザインとは思えないほど、イメージが変わりますね。ベース生地はコットンリネンで、質感にも変化が加えられています。
皆さまはどちらがお好みですか?


続いて画像右側の生地は、Marie 121115
ジューシーな洋ナシとつる性の植物、そして繊細な花々がアクセントとなり、英国的な雰囲気を醸し出しているこの作品は、キュリー夫人(Marie Curie:フランス語名)に因んで名づけられました。フェミニンで浮遊感があり、ダイアンの植物画への愛情が感じられる、ソフトで優しいデザインです。

そして、画像中央のセミシアー生地は、Emmeline 121114
参政権運動家エメリン・パンクハーストに因んで名付けられており、韓国の蝶の芸術からインスピレーションを得た、自由奔放で素敵なデザインです。広々とした大地にはばたく繊細な羽を、緻密なディテールでリアルに表現しています。背景の壁紙にも同じ蝶が描かれていて、まるで絵画から飛び出してきたかのようですね。


ここで背景の壁紙、Florence 112889についてご紹介しましょう。
夏の日を連想させるこの作品は、古代中国の壁紙にインスパイアされたもの。オリジナルは伝統的な筆と技法、水彩絵の具を使ってシルクに手描きされたもので、その美しさはまさに現実逃避そのものです。 
一面に咲き誇る花々や、いきいきと描かれた鳥や様々な生き物たちが活気に満ち溢れ、ポジティブな印象を与えます。

18世紀のクラシックなデザインをダイアンが現代風にアレンジ。彼女のハンドペイントの筆使いと色使いが、再現性の高いデジタルプリントによりまるでリアルな壁画のように表現されています。


また、こちらの壁紙は、巾68.5 ㎝を4枚張り合わせると1つのデザインとなるパネルタイプです。高さはフルサイズで3mですが、上部と下部は無地調のデザインになっていますので、天井高に合わせてカットしてお使いいただくことができます。


最後にクッションをご紹介しましょう。

画像左側のクッションは、Marsha 121108
1960年代から1970年代にかけて、LGBTQ運動に影響を与えたマーシャ・P・ジョンソンの名を冠したもの。

明るく。大胆であれ。あなたらしく。 このひと際大きいサイズ感の色彩溢れる様は、ポピーと牡丹の巨大なブーケにインスパイアされたものです。豪華なコットンベルベットで、椅子張地としてもお使いいただけます。
また、カーテンには素材違いでエレガントなコットンサテンのラインナップもございます。

両サイドの無地部分は英国サンダーソン社のTuscany 237175、境目を国内在庫のMANAS-TEXアクセサリーコレクションよりマルカート 2でデコレーションし、ブーケの絵画を額縁に飾ったかのようなスタイル。ソファーの上にひとつあるだけでも、お部屋が華やぐアイキャッチなアイテムに。

画像右奥のクッションは、Lady Alford 121103
冒頭でご紹介したカーテンと同柄で、ベース生地はコットンリネン。表裏同生地で、広めに取ったフレーム部分が、ひらひらと柔らかな印象を与えてくれます。


こちらもまた、先にご紹介したLovelace(画像左:121105/画像右:121106)。
ラブレスという名前は、イギリスの数学者であり作家であり、 最初のコンピュータ・プログラマーとされている女性、エイダ・ラブレスにちなんで付けられました。
複雑に組まれた竹のトレリスが色の濃淡で表現されていて、オリエンタルなモチーフでありながら、洗練されたモダンな雰囲気が感じられます。

ダイアン・ヒルは今回「今までにないシノワズリを作る」という意気込みを持って色やスタイルの限界に挑戦し、とてもエネルギッシュな高揚感を感じたそうです。そしてこのハーレクインとのコラボレーションにより、「シノワズリ」という美しく高尚な芸術を、もっと身近なものにしたいという、彼女の長年の願いを実現させました。

アイテム名には、個性的な道を切り開いた先駆者でパワフルな女性の名がつけられていますが、ダイアン自身もまた、その一人と言えるでしょう!

1年の始まり、お部屋にも新しいアイテムを取り入れて今年もインテリアを楽しんでまいりましょう!

☆こちらでもご紹介しています。是非ご覧ください!
 東京ショールームInstagram
 東京ショールームブログ:New!!『Sanderson』&『HARLEQUIN』ディスプレイ

2022ディスプレイ「アクセサリー特集」

2022.12.27 / tokyo

寒い日が続きますね。2022年もいよいよ残すところあと僅かとなりました。

さて、先月オーストリアのバックハウゼンの生地で、角にタッセルフリンジを付けたクッションを作製したところ、「かわいい!」「こんなふうにアクセサリーを使ってみたい!」等々大変反響をいただきました。(詳しくは前回のブログでご紹介しています。)

そんな嬉しいお声を受けまして、今回は2022年の締めくくりとして、1年間のディスプレイを振返り、中でもアクセサリーに特化してご紹介したいと思います。

まずは、クッションから。

こちらは、表と裏を別生地にしたクッションのマチ部分(約5cm)にボーダーを回しています。個性的なプリント生地と小紋柄の織地という柄物の生地同士を、さらに柄のあるボーダーで繋いでいますが、カラーとテイストがマッチしているので、お互いを引き立てながら装飾性をプラスしています。
ボーダー:Jim Thompson/Woven Diamonds Tape JT030049003

続いてこちらは、ヒトデがモチーフの刺繍生地に、マリンロープを思わせるパイピングコードを合わせています。マリンリゾートをイメージしたインテリアにぴったりですね。
パイピングコード:Houles/Oceanie Piping Cord 31313-9000

こちらは、豊富なカラーヴァリエーション、3mm巾のさり気ないパイピングコードですが、色合わせにご注目ください。左のクッションは、ハート柄の縁取りから色を取ったパープル、右のクッションは、魚の目から色を取ったオレンジが、とても効果的です。
パイピングコード:Jim Thompson/Silk Micro Cord on Tape JT030026


続いてカーテンをご紹介しましょう。
こちらは、バランス一体型カーテンのバランス部分の縁取りとしてボーダーをあしらい、お揃いでタッセルも作製しました。全体を引き締める程良いアクセントとなっています。
ボーダー:MANAS-TEX/パサージュ4(国内在庫品)

こちらはカーテンの縁に縦にボーダーを縫い付けたⅠ型ボーダー。植物柄の生地に幾何学柄のボーダーを合わせていますが、リネンベースの素材感と、刺繍のカラーを同系でまとめることで、洗練された印象の組み合わせに。
ボーダー:No.9 Thompson/Meander N9031021002

続いてこちらは、リネン地に光沢のある刺繍で縁取りが施され、バランスのような形のユニークなボーダー。画像のようにカーテンの上部に付けたり、スツールの飾りにしたりと、使い方はアイデア次第で広がります。
ボーダー:Jim Thompson/Duquette Valancia Border JT030056

同じくスツールでの使用例としては、座面と側面の生地の境目にパイピングコードをあしらったもの。こちらは、縫い込むテープ部分がないコードのみのタイプなので、接着剤で貼り付けています。
パイピングコード:Houles/Gallery Piping Cord 31101-9730

また、このようなBOXタイプのコレクションサンプルもございます。1枚ずつ分かれているので、生地に当てて組合せを考えるのにも使いやすく、宝箱を開けるようなワクワク感も!
Houles/The Michael Aiduss Collection

ご紹介しましたように、アクセサリーをプラスすることでワンランク上のカスタマイズが可能となります。ディテールにまでこだわった”世界にひとつのオーダーメイド”をお楽しみください。

改めまして、今年も1年マナトレーディングをご愛顧いただき、また、ショールームブログをご覧いただきまして誠にありがとうございました。
※東京ショールームは2022年12月28日より2023年1月4日まで冬期休業となります。
それでは皆さま、良いお年をお迎えくださいませ。