New!!『Backhausen』ディスプレイ
新緑が美しく爽やかな季節はあっという間で、梅雨入りも間近となってまいりました。
さて今回は、オーストリアのBackhausen(バックハウゼン)についてご紹介します。
1849年、ウィーンにて創業したバックハウゼンは、その多大な業績によりハプスブルグ皇帝家御用達ブランドとして認められ、ウィーン世紀末芸術様式ユーゲントシュティールの先駆者、そしてウィーン工房設立メンバーとして20世紀初頭に起った新しい芸術運動に深く関与した、歴史を誇るブランドです。
ここで「ウィーン工房」について改めてご紹介しておきたいと思います。
Wiener Werkstätte / ウィーン工房
1903年ウィーン工芸美術学院の教授ヨーゼフ・ホフマンとコロマン・モーザーらによって創設されたデザイナー集団。画家・彫刻家・建築家などデザイナーが職人と密接に協力しながら自由に才能を開花させ、日常生活に関わる様々なものを最高の品質で作り出していく「総合芸術」のワークショップでした。
バックハウゼンは、このウィーン工房のテキスタイルの主要な製造業者であり、奇跡的に残された、貴重なアーカイヴデザインは3500点を超え、今も大切に守られ続けています。
そして今回、そのアーカイヴデザインが新しい解釈によって再登場しました。厳選されたカラーパレットと素材を用いて、フレッシュな輝きを放っています。
それではディスプレイをご紹介いたしましょう。
こちらが、新作ファブリックにてリニューアルしました東京ショールームのバックハウゼンコーナーです!
豊富なデザインと鮮やかなカラーのバリエーションが目に飛び込んでくるコーナーとなりました。今回は、主に以下の2つのコレクションに収録されたアイテムで構成しています。
『Wiener Sehnsucht』コレクション
ウィーン工房から続くデザインを通しウィーンへの“憧れ=Sehnsucht”を今に紹介する新コレクション。ヨーゼフ・ホフマン、オットー・プルッチャーなど著名なデザイナーによる19世紀末の作品がアーカイヴから再登場。サスティナブルな天然素材を使用し、時代を超えて人気のデザインを現代のイメージに合わせて新たにアレンジしています。
『Wiener Garten』コレクション
創設170周年を記念し、アーカイヴからアールヌヴォーのデザインを復刻したアニバーサリーコレクション。著名な芸術家、コロマン・モーザーやヨーゼフ・ホフマンらによるデザインが色や素材を新たに生まれ変わりました。収録アイテムには“ウィーンの庭園=Wiener Garten”で良く見られる植物をイメージさせる名前が付けられています。
それではまずカーテンから。
Weingarten MD442B05
ハート形が特徴的な葉のモチーフ。壁一面にツタの葉が生い茂ったかのよう。散りばめられたドットは、可愛らしい実のようでもあり、キラキラと輝く朝露にも見えませんか?ヴィヴィッドからモノトーンまで、12色のカラーバリエーション。こちらはレーヨン素材ですが、素材違いでシルク混のWeingarten SEもございます。
そして、リヴァーシブルで仕立てた裏面は、Blumengarten Deko MD411C08
1914 年、ヨーゼフ・ホフマンによるデザインを基にしたもの。
続いてクラシカルな印象のこちらは、Coligny MD291B10
工房のデザイナーの一人、ヘレネ―・ガイリンガーによる同じく1914年のデザインを基にしたもの。
自然の様が織り成すハーモニー、そしてエレガンスと静けさを、レーヨンとウール、ヘンプ麻の混合素材を用いて表現しています。
いずれもこのように、ソフトで繊細なナチュラルトーンのカプセルコレクションとしてまとめられていますので、お部屋のトータルコーディネイトに最適です。
続いて、スツールの張地をご紹介しましょう。
左の画像、座面部分は、Herbstblatt M9069E13
HERBSTBLATTは「AUTUMUN LEAF=秋の葉」の意味。ヨーゼフ・ホフマンのデザインを基にしたもの。
側面部分は、Lebenswege MC933D13
LEBENSWEGE は「WAYS OF LIFE=生き方」を意味し、こちらもホフマンの原案を再解釈したものです。
右の画像のように、Herbstblattだけでもこれだけのカラーバリエーションがあり、ブラックベースのほうはオリジナルデザインを彷彿とさせ、ホワイトベースは新解釈としてフレッシュさを感じます。
左の画像のクッションは、Wellenherz MD439A05
ハートのモチーフがかわいらしいデザインですが、甘くなり過ぎないカラーを選んでみました。
右の画像は、クッションの生地と同じカラーでまとめたデザインのバリエーション。サンプルブックを開くと、このようにカラーごとに一目で見られるように収録されています。
他、豊富なデザインの中から8柄をこのようにシートクッションの形で展示しています。椅子の座面に置いたり、背もたれに立てかけてご覧いただき、クッションや椅子に張った様子をイメージしてみてください。
ウィーン工房で生み出されたデザインが、今再び進化を遂げて登場した今回のコレクション。機能的な日用品に美しいデザインを与える彼らのコンセプトを体現してみてはいかがでしょうか。「芸術家たちの作品」としてのデザインの素晴らしさを、ぜひショールームでご覧ください。